お薬屋さんのコラム

感染症について

コロナの変異って・・・どういうこと?

変異したコロナウイルス、デルタ株という単語を聞くことが多くなりました。
でも変異って?何がどう変わったの?今回はコロナの変異についてお話します。

インド型と呼ばれるL452R変異デルタ株(B.1.617.2)は、従来のコロナウイルスより感染力が強くなり、日本だけでなく全世界で勢いが増し、主流になりつつあります。

コロナの症状を引き起こす部位は変化していないので、より凶悪になった訳ではありません。
問題なのは、人間の細胞に入り込む部位のタンパク質が変化し、より感染しやすくなっていることです。

コロナは、油で出来た丸いボールの中に、糸状の遺伝子が1本入った構造をしています。ボールには尖ったタンパク質が突き刺さっています。トゲトゲして見えるのが突き刺さったタンパク質です。

変異は、外側のタンパク質を合成する遺伝子情報で起きています。ボールの中に入っている遺伝子が少し変化してるのですね。
簡単に言うと、外のトゲトゲを作る設計図が変わり、今までと少し違う外側のタンパク質が作られるようになった結果、人の細胞に入り込み易くなり感染力が上がった、ということなのです。

パワーアップしてる?怖いわ・・・

対策は今までと全く同じです。一年前とは違い、今はワクチンという予防手段も更に追加されてます。
必要以上に恐れる必要は全くありません。
新聞やテレビなどでよく見かける「新しい生活様式」は変異ウイルスに対しても有効なのです。日頃から心掛けてる感染を防ぐ手段を継続しましょう。

2021/08/19

感染症について

コロナワクチン体験談データまとめ

赤松薬局のスタッフは、2回目のコロナワクチンが終了しました。
 
赤松薬局での2回目接種データのまとめです。


2回目は副反応の倦怠感や熱が出る人が多い。
副反応の発現は接種約15時間後から。
副反応の症状は、約15時間続き消失。後遺症等は無かった。
解熱鎮痛剤で症状は軽くなった。

1回目ワクチンで免疫迎撃態勢が整えられたため、2回目は全身的な副反応が強く出るのだと思います。
ただ、この副反応は、免疫がキチンと反応しているために起きるのです。ヨシヨシ効果が出てるな、しばらくの辛抱だ、エラい時は薬で大丈夫だ、と考えれば不安も少なくなり、気持ちも楽になるのではないでしょうか。

ワクチン接種は、自分のためだけはなく、周りの人達の健康と命を守ることにもつながります。不安な気持ちもわかりますが、接種をオススメします。

詳細なデータは以下の通りです。参考になさって下さい。
年齢 20代4名、30代4名、40代9名、50代5名、60代1名、70代2名
男女 男8名、女17名

急性反応は無かった (25/25名)  頭痛があった(13/25名)
発熱があった(18/25名)倦怠感があった(22/25名)

発熱や倦怠感が発現した日    接種当日(4/22名) 1日後(18/22名)
発熱や倦怠感がピークの日   1日後(21/12名) 2日後(12/12名)
発熱や倦怠感が継続した日数 1日(12/12名) 2日(12/12名)
発熱や倦怠感が消失現した日 接種後1日(5/22名) 2日後(14/22名) 3日後(3/22名)

解熱鎮痛剤を服用した(13/25名)
解熱鎮痛剤で熱が下がった(10/13名)
解熱鎮痛剤で倦怠感が楽になった(9/13名)

注射部位が腫れた (2/25名)
注射部位に数日違和感が残った (14/25名)

 

2021/07/15

感染症について

2回目コロナワクチン体験談

2回目のコロナワクチンを接種しました。今回は体験談の続報です。
2回目の注射も肩の下あたり、痛みは1回目とあまり変わりませんでした。

個人的な経験ですが、接種後の反応はかなり違いました。
翌日に38℃台の発熱と倦怠感。フワフワした感覚と体がダル重く、カゼの症状に似てました。半日続きました。
解熱鎮痛剤を服用すれば症状はかなり軽くなるな、とは思いましたが、このコラムのため敢えて服用せずに自然な経過を観察しました。職業病ですね・・・(笑)

さて、ここからは個人的な見解ですが・・・

ワクチンはコロナウイルスの外側を体内で合成させます。それを異物と認識することで免疫を獲得します。
1回目は、免疫が全く無い状態なので全身的な反応は起きず、注射部位の腫れと痛みという局所的な反応だけが起きたのだと思います。

そして2回目。

1回目のワクチン効果でコロナウイルスを迎え撃つ体制が整えられています。
ワクチンで合成されるコロナウイルス外側に、1回目で獲得された免疫が強く反応するため、全身的な症状が起こりやすくなるのです。

2回目に発熱や倦怠感などの症状が多く発現するのは、こういう理由ではないかと個人的には思います。

ただ、この副反応は、免疫がキチンと反応しているために起きるのです。
ヨシヨシ効果が出てるな、しばらくの辛抱だ、と考えれば不安も少なくなり、気持ちも楽になるのではないでしょうか。

ワクチン接種は、自分のためだけはなく、周りの人達の健康と命を守ることにもつながるので、接種をオススメします。ワクチン接種は、自分のためだけはなく、周りの人達の健康と命を守ることにもつながります。ぜひ受けましょう。

2021/06/17

感染症について

コロナワクチン体験談

コロナワクチンを接種してきました。あれ?もう始まってたっけ?
実は、薬局は医療従事者の先行接種枠に入っているのです。今回はその体験談をお伝えします。

当日は先ず体調などを記入した問診票を提出。免許証などの身分証明の提示も求められます。
体温測定で発熱がないことを確認した後、医師による問診をパスすれば、いよいよ注射です。
利き腕ではない方の肩の少し下あたりに注射します。

あれ、痛くない。えっ、もう終わったの?というのが個人的な感想です。

注射後は、アナフィラキシー反応(注射直後に出る急性のアレルギー反応)を確認するため、15分ほど経過をみます。反応が無ければ終了です。接種記録書にシールが貼られます。
帰宅後に症状が出た場合の医療機関連絡先と、次回の予約票を渡されました。次回予約は3週間後の同じ時間となりました。

普段診療してもらってる開業医の先生での接種も始まる予定ですね。
ワクチン接種は、自分のためだけはなく、周りの人達の健康と命を守ることにもつながります。ぜひ受けましょう。


でも・・・なんだか怖いわ・・・

参考までに5月14日までの赤松薬局スタッフでの経過です。

年齢 20代1名、30代3名、40代7名、50代3名
、60代1名、70代2名 男女 男4名、女13名
インフルエンザより痛くなかった (13/17名)
急性反応は無かった (17/17名)
熱が出た (1/17名)
注射部位が腫れた (2/17名)
注射部位に数日違和感が残った (11/17名)

2021/05/20

感染症について

​首から下げる除菌ってコロナに効くの?

首から下げるネックホルダー型の塩素除菌ってコロナ対策に有効なの?
患者さんから質問がありました。興味がわいたので調べてみました。

主な成分は二酸化塩素。タンパク質などを変質させる性質を持っています。
タンパク質で出来た膜を変質させ、コロナウイルスの感染力を低下させることが出来ます。
あら、効くんじゃない?

この性質だけ見ればそうですね。
ただ、二酸化塩素は空気よりも重いため放出されたガスは上昇せず、沈んでいきます。
ホルダーより高い位置にある鼻の周囲には届かないのです。
空気の流れで上昇しても拡散されて薄まり、十分な濃度にはならないと思います。
また、気体の二酸化塩素は不安定な物質で、温度や光の影響を受けて分解されてしまいます。

あら、そうなの。なら、3つか4つ首から下げてもっと濃度を上げたらいいんじゃない?

ハイ、確かに濃度は上がるでしょうね。しかし、濃度が上がり過ぎると人体にも影響が出ます。
目や鼻、気道の粘膜にも刺激を与え、カユくなったりセキが出てしまうのです。

では、据え置き型はどうなの?
机や棚などの低い場所ではなく、天井に近い高い位置に置いた方が良いと思います。

有効性や安全性については、様々な意見があるようですね。その判断の一助になればと思います。

2021/04/15

感染症について

新型コロナワクチンのメリットとデメリットって?

新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりますね。
今回はワクチンの有効性と副作用についてです。
 
ワクチンの有効性は90%。どうやって計算したのでしょうか?計算には相対危険度を用います。
 
接種した人、接種しなかった人での発生頻度を比較します。
非接種100人では50人が発症、接種100人では5人しか発症しなかった場合、接種した45人は接種効果によって発症しなかったと考えるのです。非接種では50人発症しなかった人がいますが、接種群でも50人は同様に発症しなかったと考え、計算から除外します。
非接種の発症50人に対して、接種50人の内45人は発症しなかったため、45÷50=0.9=90%に相当する計算となるのです。
 
副反応は腫れること、アレルギー反応です。
コロナワクチンは、遺伝子を運ぶ外側の保護膜だけを体内で合成する指令を出します。悪さをするのは中身の遺伝子で、外側は無害です。
元々体内に存在しない外側を異物と認識するため、免疫が獲得できるのです。
 
免疫システムは、異物として認識した外側を攻撃して排除しようとします。
そのため、炎症が起きて赤くなり、腫れ上がるのです。2~3日は腫れるので当然痛みます。他は、ジンマシン、血圧や意識の一時的な低下、痺れなどです。
いずれも症状は早く消失しています。
 
救急対応が必要となる重篤な副反応が起きる確率はなんと数万人に1人。万が一ではなく、数万が1です。
 
数万がイチの副作用デメリットと、90%有効な免疫獲得のメリットでは、メリットの方が遥かに大きい。
だから政府はワクチン接種を積極的に勧めているのです。

2021/03/18

感染症について

コロナのメッセンジャーRNAワクチンって何?

新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりますね。
今回はメッセンジャーRNAワクチンについてです。

体内に侵入したコロナは、人間の細胞を使って自分自身のコピーを大量に作って増殖し、症状を引き起こします。
コロナは、トゲトゲがついた油で出来た丸いボールの中に、糸状の遺伝子が1本入った構造をしています。
悪さをするのは中身の遺伝子で、外側のボールだけでは症状は起きません。

そこで、中身が入ってない外側のボールだけを体内で作り、先に免疫を獲得しておきます。
ボールだけを合成する指令を出すのがメッセンジャーRNAなのです。

ボールは人間の体内に存在しない物質なので、免疫は体内で作られたボールを体外から侵入した異物と認識し、攻撃して排除しようとします。
免疫の獲得までには少し時間がかかりますが、一度獲得した免疫の効果はしばらく続きます。

コロナに対する免疫が無い状態で感染すると、免疫を獲得するまでの間にどんどんウイルスが増殖して症状が進行してしまいます。増殖スピードに免疫反応が追いつけないのです。
先に免疫を獲得しておけば、いざコロナが体内に入ってきた時にすぐ攻撃ができて増殖を防げる、これが予防効果なのです。

でも遺伝子を操作して作ったワクチンでしょ。チョット不安だわ・・という声もありますね。

ワクチンは、マイナス70℃という超低温でないと壊れてしまう程の不安定な物質です。保冷温度と体温との温度差は100℃以上。長期に渡って体に残ることは出来ません。切れ切れのタンパク質となり体から排泄されます。残留するとは考えにくのです。

ワクチンの効果は?副作用が怖い。それはですね・・・次回に続きます。

2021/02/18

感染症について

新型コロナの感染が成立する3つの要素って何?

前回はアルコール消毒がナゼ有効なのかをお話しました。
今回は感染症学的な3つの要素についてお話します。
 
感染症学では3つの要素が揃って初めて成立すると考えられています。
では3つの要素とは何なのでしょうか?
 
要素① 感染するウイルスや微生物の存在
要素② 感染される動物やヒトの存在
要素③ 感染していく経路
 
当たり前と言えば当たり前ですね。
この3つの要素が揃うとインフルエンザや新型コロナなどの感染症が成立するのです。
逆に言えば、3つの要素の内、どれか1つでも欠ければ感染しないとも言えるのです。
 
感染を遠ざけるための対応策を考えてみました。
要素①は、手洗いやウガイです。ウイルスなどを体に近づけないことが大事ですね。
要素②は、体を温めたり、体力をつけて抵抗力を上げることです。予防ワクチン接種も有効です。
要素③は、換気する、アルコールで消毒する。近くにいるウイルスなどを遠ざる、撃退してしまう、ということですね。
 
新聞やテレビなどでよく見かける「新しい生活様式」がそのまま当てはまりますね。
インフルエンザでも新型コロナでも、感染症という概念から考えると、全く同じ予防方法が有効なのです。
 
まだまだ収束の兆しが見えない状況ですが、出来ることを生活に取り入れて日々を送って頂ければと思います。

2021/01/21

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