お薬屋さんのコラム検索
前回までのお話は、ジェネリック医薬品で節約しましょう、という内容でした。
今回からは手元に残っているお薬を活用して節約しましょうというお話です。
なぜか手元に残っているお薬ってありませんか?
この余っているお薬、お薬代も既に払っています。余らせてもモッタイないですね。
実はあるんだけどね・・・お医者さんに怒られそうでなかなか言えないんだよね・・・
薬局の店頭ではよく聞く話です。
ある調査では、90%の薬剤師が余っている薬があると患者さんから聞いた、と回答してます。
また、患者さんの55%がお薬が余った経験があると回答してます。
皆さんが想像する以上の頻度であるのです。
どうしてでしょうか?答えはカンタン。人は間違える生き物だからです。
75歳以上の方を対象とした調査結果では、余っているお薬の推定金額は、何と475億円!
年齢を限定せずに推測した金額は、日本全国で何と1000億円を超えます!
まさに埋蔵金。
これを活用出来ればお財布にも優しく、医療費も節約できますね。
でも・・お医者さんは余っていることを知らないから日数はいつも同じなんだよな。
余った薬を再利用できないのかな?
実は出来るのです!次回に続きます。
2020/09/17
前回のお話はジェネリック医薬品に変更するのは誰に相談したら良いの?という内容でした。
今回はジェネリック医薬品が医療費を節約する効果に関するお話です。
患者さんの自己負担は3割、残りの7割は国民健康保険や社会健康保険などの健康保険が負担しています。
さて、3割負担の方が、後発医薬品に変更して1月分のお薬代が150円安くなった、という条件で節約額を試算してみましょう。
3割の自己負担の節約額は150円です。
7割を負担する健康保険の節約額は350円です。
(3割で150円なので1割は50円となります。50円☓7割=350円)
1ヶ月分の医療費節約額は、150円+350円=500円となります。
では、1年間では?
自己負担 150円☓12ヶ月=1800円。ランチ2回分位ですね。
保険負担 350円☓12ヶ月=4200円。その合計は6000円です。
では・・10年では?
高額なお薬をジェネリック医薬品に変更して差額がもっと大きかったら?
8~9割を保険が負担する高齢者の場合だったら?
自己負担分が節約できた実感しにくい金額であっても、総額を考えると無視できない金額となります。
年月を重ねると更に大きな差となります。ちりも積もればですね。
医療費が少なくなれば保険財政は健常化し、継続して運用できます。
次の世代、そのまた次の世代に残せるお金が多くなるのです。
お薬代を節約する方法は、まだ他にもあります。
えっ、どんな方法なの?次回に続きます。
2020/08/20
前回のお話は、成分が一緒で値段が約半分、ジェネリック医薬品はお財布に優しいという内容でした。
今回はジェネリック医薬品に変更するには、というお話です。
ジェネリック医薬品にしてみたいけど・・・一体誰に相談すれば良いの?お医者さん?薬剤師さん?
はい、どちらに相談して頂いても大丈夫です。
お医者さんも相談に乗ってくれますが、ジェネリック医薬品をズバリ指定してくることはほとんどありません。
えっ、どうして?
処方箋には、ジェネリック医薬品が販売されているお薬は成分名で記載されていることがほとんどです。
成分名で記載されている医薬品は、先発医薬品にするかジェネリック医薬品にするかを薬局で患者さんが選ぶことが出来ます。
ですので、お医者さんが指定することはほとんど無いのです。
また、薬剤師は成分名で処方された医薬品については、どちらを希望するかの意向を確認してからお薬の準備にとりかかります。
ジェネリック医薬品に変更したい時は、薬剤師に伝える方がよりスムースなのです。
ジェネリックを希望しますというシールを保険証やお薬手帳に貼っておくのも要望が伝わり易いですね。
差額はどのくらいになるの?その試算も簡単に出来ます。
あれ?思った程じゃないかも・・・
いえいえ、自己負担3割分以外、健康保健が負担する7割分の節約が大きいのです。次回に続きます。
2020/07/16
前回は特許が切れるとジェネリック医薬品が発売できるようになるというお話でした。
今回はお財布との関係についてお話します。
医薬品をイチから開発するためには何百億円という莫大なお金がかかります。
化合物の選定、動物実験、臨床試験でデータを集め、安全性と効果を検証し、厚生労働省の審査を通過して医薬品として販売できるようになります。
多大な投資や費用と、10年近くの期間をかけて開発されるのです。
特許で保護されている期間中は、他の会社は同じ成分のお薬を発売できません。
開発した製薬会社だけが独占的に発売出来ます。
この期間中に開発にかかった費用を回収し、得た利益を次の医薬品を開発するための研究費に回すのです。
ジェネリック医薬品がお財布に優しい理由は、莫大な開発費用が不要なので先発医薬品に比べて値段を抑えることが出来るからなのです。
ジェネリック医薬品の値段は、先発医薬品の約半分が一般的です。
最近では主成分以外にも添加物や製法まで先発医薬品と全く同じというオーソライズドジェネリック医薬品も多く発売されるようになりました。
成分は一緒で値段が約半分、お財布に優しいでしょ。
えージェネリック医薬品に変えてもらいたいな。でも誰に相談したら良いの?
それはですね・・・次回に続きます。
2020/06/18
最近新聞やネットで見かけることが多くなった単語、ジェネリック医薬品。
まずジェネリックという単語を調べてみました。
英語では「一般的な」という意味がある単語のようです。
ん?医薬品とのつながりは?
はい、欧米ではお薬を処方する際に成分名=一般名(ジェネリックネーム)を用いることが多いことからジェネリック医薬品と呼ばれるようになりました。
やがて世界中にその習慣が広まり、日本でもジェネリック医薬品と呼ばれるようになったのです。
また、日本では新たに開発された新薬=先発医薬品の特許が切れた後に発売される医薬品なので、ジェネリック医薬品は後発医薬品とも呼ばれることがあります。
医薬品にも特許があるの?
はい、特許があります。
化学成分はモチロンのこと、合成方法などの製造過程も特許に含まれます。医薬品は特許の塊と言っても過言ではありません。
この特許が切れると同じ成分のジェネリック医薬品が発売できるようになります。
ん-、でもそれがお財布とどう関係があるの?
それはですね・・次回に続きます。
2020/05/21
前回はフレイルのチェック内容について紹介しました。
今回はチェックができる場所についてお話しします。
フレイルチェックが出来る場所は、岡山市内のふれあいセンター、研修を受講した医院や薬局などです。
チェックを実施するだけでなく、判定結果を岡山市の予防活動につなぐ窓口でもあります。
令和元年12月時点で10医院、66薬局が登録されています。今後も実施機関を増やし、チェックの機会を多くする予定のようです。
実施機関は岡山市のホームページに掲載されていますが、「岡山市 フレイル事業 実施機関」でも検索できます。
赤松薬局では、中仙道店が登録済みです。古京店も近く受講予定です。
フレイルのチェック実施には条件はありません。岡山市民でも市外在住の方でも希望者全員が無料で受けられます。
ただ、岡山市が実施する予防活動への参加にはいくつか条件があります。既に要介護や要支援の認定を受けている方は予防活動の対象外となります。
また、対象年齢は65歳以上が目安です。
岡山市の事業なので、岡山市民であることも必要です。市外在住の方は対象外となります。
フレイルへの進行を防いで健康を長く保つことは、健康寿命を長く保つということにつながります。ぜひチェックを受けてみて下さいね。
2020/04/16
PCR検査・・・最近よく耳にしますね。コロナウイルスの感染判定に応用されてますね。
でもどんな検査なの?気になったので調べてみました。
PCR、ポリメラーゼ チェイン リアクションの頭文字の略です。
日本語だとポリメラーゼ連鎖反応。一体何のこと?
簡単に言うと3つのステップで遺伝子のDNAを短時間で大量にコピーする技術です。
PCRが開発されたのは1980年代後半。
それまでは大腸菌にDNA断片を組み込み、細胞分裂を利用して複製する時間を要する方法でした。
手技もシンプル、時間も大幅に短縮される方法、それがPCRなのです。
① DNAは2本のヒモが二重らせん状に絡み合った構造をしています。
約100℃の熱を加えると二重らせんがほどけて2本のヒモになります。
②ポリメラーゼという酵素を用いて1本のヒモから1本のコピーを作ります。
同時にもう1本のヒモのコピーも作れます。
③ 約70℃の熱を加えると、ほどけた元のヒモ同士が絡み合ってDNAに戻ります。
コピーしたヒモ同士も絡み合ってコピーDNAとなります。
①~③を繰り返すと、1つのDNAが2つに、2つが4つ、4つが8つと倍々に増えます。どんどんコピーが作られるわけですね。
DNAが微量だと検出できないので、PCRを用いて検査が出来る状態まで増やして判定する、これがPCR検査なのです。
そしてコロナウイルスDNAの中にだけ存在する特有のアミノ酸の固まりを検出し、陽性陰性の判断に用いるのです。
2020/03/19
前回は岡山のフレイル事業を簡単に紹介しました。
今回はフレイルをチェックする内容についてお話しします。
健康に関する25項目の質問と、握力測定によってフレイル状態を判定します。
質問の内容は、運動や外出する機会、日常生活の体の動き=ADL、口の状態や栄養などです。質問には、「はい」「いいえ」で答えていきます。
また、全身の筋力が反映される握力も測定します。
でも、どうしてこんな内容になってるの?
体も心も健康であるためには、25項目の要素がスムースに連動することが必要なのです。上手くかみあわない状態はフレイルへと進行しやすいのです。
チェックした内容は点数化されます。点数が低いほど健康です。
高いほどフレイルへと近づいていると考えられるため、予防が必要と判定されます。
点数が多かった方のうち、予防プログラムを希望する方には岡山市から案内が届きます。希望するしないは個人の自由です。
案内には、「ふれあい・いきいきサロン」や「あっ晴れ!もも太郎体操」など地域の人々が交流する通いの場、公民館活動の案内、健康イベントが紹介されています。
この案内にもお金はかからず、無料です。
また、介護予防センターの専門職員から個別の指導を受けることもできます。
えっ、チェックしてみようかな・・・しかもお金はかからないし・・・でも窓口はどこ?
次回はチェックできる場所を紹介します。
2020/02/20