お薬屋さんのコラム検索
前回はフレイルのチェック内容について紹介しました。
今回はチェックができる場所についてお話しします。
フレイルチェックが出来る場所は、岡山市内のふれあいセンター、研修を受講した医院や薬局などです。
チェックを実施するだけでなく、判定結果を岡山市の予防活動につなぐ窓口でもあります。
令和元年12月時点で10医院、66薬局が登録されています。今後も実施機関を増やし、チェックの機会を多くする予定のようです。
実施機関は岡山市のホームページに掲載されていますが、「岡山市 フレイル事業 実施機関」でも検索できます。
赤松薬局では、中仙道店が登録済みです。古京店も近く受講予定です。
フレイルのチェック実施には条件はありません。岡山市民でも市外在住の方でも希望者全員が無料で受けられます。
ただ、岡山市が実施する予防活動への参加にはいくつか条件があります。既に要介護や要支援の認定を受けている方は予防活動の対象外となります。
また、対象年齢は65歳以上が目安です。
岡山市の事業なので、岡山市民であることも必要です。市外在住の方は対象外となります。
フレイルへの進行を防いで健康を長く保つことは、健康寿命を長く保つということにつながります。ぜひチェックを受けてみて下さいね。
2020/04/16
PCR検査・・・最近よく耳にしますね。コロナウイルスの感染判定に応用されてますね。
でもどんな検査なの?気になったので調べてみました。
PCR、ポリメラーゼ チェイン リアクションの頭文字の略です。
日本語だとポリメラーゼ連鎖反応。一体何のこと?
簡単に言うと3つのステップで遺伝子のDNAを短時間で大量にコピーする技術です。
PCRが開発されたのは1980年代後半。
それまでは大腸菌にDNA断片を組み込み、細胞分裂を利用して複製する時間を要する方法でした。
手技もシンプル、時間も大幅に短縮される方法、それがPCRなのです。
① DNAは2本のヒモが二重らせん状に絡み合った構造をしています。
約100℃の熱を加えると二重らせんがほどけて2本のヒモになります。
②ポリメラーゼという酵素を用いて1本のヒモから1本のコピーを作ります。
同時にもう1本のヒモのコピーも作れます。
③ 約70℃の熱を加えると、ほどけた元のヒモ同士が絡み合ってDNAに戻ります。
コピーしたヒモ同士も絡み合ってコピーDNAとなります。
①~③を繰り返すと、1つのDNAが2つに、2つが4つ、4つが8つと倍々に増えます。どんどんコピーが作られるわけですね。
DNAが微量だと検出できないので、PCRを用いて検査が出来る状態まで増やして判定する、これがPCR検査なのです。
そしてコロナウイルスDNAの中にだけ存在する特有のアミノ酸の固まりを検出し、陽性陰性の判断に用いるのです。
2020/03/19
前回は岡山のフレイル事業を簡単に紹介しました。
今回はフレイルをチェックする内容についてお話しします。
健康に関する25項目の質問と、握力測定によってフレイル状態を判定します。
質問の内容は、運動や外出する機会、日常生活の体の動き=ADL、口の状態や栄養などです。質問には、「はい」「いいえ」で答えていきます。
また、全身の筋力が反映される握力も測定します。
でも、どうしてこんな内容になってるの?
体も心も健康であるためには、25項目の要素がスムースに連動することが必要なのです。上手くかみあわない状態はフレイルへと進行しやすいのです。
チェックした内容は点数化されます。点数が低いほど健康です。
高いほどフレイルへと近づいていると考えられるため、予防が必要と判定されます。
点数が多かった方のうち、予防プログラムを希望する方には岡山市から案内が届きます。希望するしないは個人の自由です。
案内には、「ふれあい・いきいきサロン」や「あっ晴れ!もも太郎体操」など地域の人々が交流する通いの場、公民館活動の案内、健康イベントが紹介されています。
この案内にもお金はかからず、無料です。
また、介護予防センターの専門職員から個別の指導を受けることもできます。
えっ、チェックしてみようかな・・・しかもお金はかからないし・・・でも窓口はどこ?
次回はチェックできる場所を紹介します。
2020/02/20
今回から2019年よりスタートした岡山市によるフレイル予防事業を紹介します。
「介護が必要な状態=フレイル」となりそうな人を早く見つけ出して進行を防ぐという事業です。
群馬県で成功した取組みを参考にしたようです。
群馬では、フレイル予防活動、カラダの動きのチェックに重点を置いた健康診断を実施しました。
その結果、健康な状態でいる期間が延び、新たに介護へと移行する人が少なくなりました。
そのため、税金で賄われる行政の介護費用が減少し、介護保険財政は赤字を脱却しました。また、介護保険料も安くなりました。
岡山市の事業では、健康に関する25項目の簡単な質問と、筋力の目安となる握力を測ってチェックを行います。しかもお金はかからず、無料でチェックができます。
予防活動によってフレイルへの進行を防ぎ、健康を長く保ちましょう、ということですね。
ただ、予防活動なので、既に要介護や要支援の認定を受けている方は対象外となります。また、対象年齢は65歳以上が目安です。
介護認定も受けてないし・・・チェックしてみようかな・・・次回はもう少し詳しくチェック内容を紹介します。
2020/01/16
年末年始のお付き合いが増える時期になりました。楽しくてついつい・・翌朝ヘロヘロ。はぁ~また、やってしまった・・・反省したことがある人もおられるのではないでしょうか。
あれ、先月もお酒の話しだった気が・・・前回は、吸収されたアルコールが体の外に出て行くまでをお話しました。
今回は、アルコールが吸収される過程をふまえ、お酒の上手な飲み方を考えます。
さて、お酒に含まれるアルコールは体のどこで吸収されるのでしょうか?
そりゃ胃腸に決まってるだろう。ハイその通りです。
食べ物や飲み物は口から食道を通り胃へ、胃から腸へと送られます。アルコールの吸収は、大部分が腸からです。
その割合は、胃で約20%、腸で約80%です。
胃から腸にアルコールがゆっくりと送られれば、吸収のスピードも緩やかになり、急に酔わないことになります。
胃の中に留まる時間の長い短いがアルコールの吸収スピードに影響するということですね。
ではアルコールが胃の中に留まる時間を長くするものとは・・・ズバリ食べ物です。
食べ物は、胃で消化しやすい状態にされてから腸へと送られます。
食べ物があるとアルコールも一緒に胃の中に留まるため、ゆっくり酔うのです。
和食コースの1品目「先付」には、空腹でのアルコール吸収を防ぐ意味合いもあるのです。
また、消化の良い物より、消化に時間がかかる繊維質が豊富な料理の方が留まる時間は長くなります。お酒は美味しく楽しく付き合うのが一番ですね。
逆に空きっ腹でお酒を飲むと早く酔います。胃をほぼ素通りして腸に届くからなのですね。
え、家に帰ってすぐビールを飲むとウマいし、すぐホロ酔いになるな・・・そのために仕事をしてるようなもんだ?実は私も・・・まったく酒飲みってやつは・・・
2019/12/19
お酒に含まれるアルコール、体のどこで分解されるのでしょうか?そりゃ肝臓に決まってるだろう。ハイその通りです。
今回は、吸収されたアルコールが体の外に出て行くまでと、お酒との上手な付き合い方を考えます。
胃腸から吸収されたアルコールは、血液の流れに乗って全身を巡ります。
脳に届いたアルコールが脳を麻痺させるため、お酒に酔うのですね。
また、全身を巡る血液により肝臓に届いたアルコールは、酵素の働きによって分解され無毒化されます。
肝臓の働きにより、時間の経過とともに血液中のアルコールは徐々に少なくなり、酔いが覚めるのです。
肝臓の酵素によりアルコール→アセトアルデヒド→酢酸という物質まで変化し、無毒化されます。そして体外へと排泄されます。
無毒化の過程で出来るアセトアルデヒドが頭痛や動悸などの二日酔いの原因となる物質です。このアセトアルデヒドが増え過ぎないようにすることが、二日酔いにならずに楽しくお酒と付き合うコツになります。
対策は2つ。分解能力を上げること、排泄量を増やすことです。
肝臓の働きを助けて分解能力を上げる医薬品をお酒の前に服用するのも良いですね。
排泄量を増やすには、むくみをとる漢方薬などが用いられます。お水を飲んで尿量を増やすのも効果的です。
お酒は美味しく楽しく付き合うのが一番ですね。
あ、もう1つ対策がありました。アルコールを摂取しないこと・・・です。
2019/11/21
前回は緯度や標高によって重力が変化し、ハカリに影響することについてお話しました。今回はその対策についてお話します。
緯度や標高による重力の変化を補正するため、計量法では日本国内が16エリアに分けられています。標高や緯度を考慮したエリアに分けられています。
そのため、どのエリアで使うのかを設定する機能が業務用の秤にはついています。
つまり、北海道で設定された秤を沖縄に運んで使おうとすると、エリア設定の変更をしなくては正確に使えないということです。
また、秤が傾いた状態では真下に重みが伝わらないため正確に測れません。
秤の底にあるネジ回し式の足で高さを調整し、地面に対して水平な状態にします。
空気の泡が密封された水平計がついていて、真ん中の丸に入るように高さを調整して水平状態にします。秤を設置する時は必ずこの水平を補正します。
薬局だけでなく、お肉屋さんやお惣菜屋さんで使う業務用ハカリも水平を補正できる構造となっています。
計量法、なじみがない法律ですが、私たちの日常生活を見えない所で支えているのですね。
2019/10/17
前回は薬局で使うハカリの精度は法律で基準が定められていることについてお話しました。
基準が定められているのに、秤は日本国内どこでも同じ数値を示すとは限りません。
えっ、どういうこと?
物体を地球に引き付ける力が引力です。
また、物体には地球の自転によって地球から離れようとする遠心力も加わります。
引き付ける引力と離れようとする遠心力との差、それが重力です。
遠心力より引力が大きいため重力が生じ、私たちは地球上に留まれるのです。
でもこの重力、地球上どこでも一定ではなく、緯度や標高の違いによりごく僅かに異なります。
地球が回転する中心軸、地軸からの距離が長いと遠心力は強くなり、短いと弱くなります。
地軸から遠い沖縄と、地軸に近い北海道では遠心力が異なるため、重力は同じではないのです。北海道では100Kgの物体が、沖縄では約140g軽くなります。
ちなみに北極点と赤道直下では約500gもの違いとなります。
同じ原理で標高も影響します。地表で100Kgの物体が、高さ約450mの東京スカイツリー展望台では約14g軽くなります。
わずかな違いに思えますが、これが高額なプラチナや金の重量だったら・・・困りますよね。
地域や標高の違いを補正する対策が計量法ではちゃんと規定されています。
どんな対策なの?次回に続きます。
2019/09/19