お薬屋さんのコラム検索
今回も医療データと紐づけたマイナンバーカードのメリットを説明します。
5つあるメリットの5を紹介します。
1 確定申告が簡単になる
2 高額医療の手続きが簡単になる
3 医療機関での受付がスムース
4 災害時でも医療情報が入手できる
5 健康診断データが活用できる
~~ 健康診断データの活用 ~~
医療機関が特定健診の結果や、使用しているお薬の内容を入手できるようになります。
今後、手術や特定健診以外の検査データなど更に多くの情報も参照できるように整備が進められています。
情報を共有できることは、検査やお薬の重複を無くすことにつながり、医療費の節約へとつながっていくのです。
また、これらのデータは無断で入手されることはありません。
データにアクセスが可能となるのは、受付時に情報を参照することに同意して頂けた方のみです。
無駄な医療コストの削減は健康保険の効率的な運営につながり、世界でも有数の優れた医療体制の持続へとつながるのです。
余談ですが、筆者の母親が転倒して突然入院した際、日頃服用している薬剤の情報がすぐに入手できた上、治療に影響する薬剤を入院中は一時的に止めることになりました。マイナンバーカードの効果を実感しました。
フーン、色々なメリットがあるのね。知らなかったわ。
でも、私のデータが漏洩するのはイヤだわ。私の体重なんてトップシークレットよ!
トップシークレット・・・確かに。次回はセキュリティについてお話します。
2022/12/15
今回も医療データと紐づけたマイナンバーカードのメリットを説明します。
5つあるメリットの3と4を紹介します。
1 確定申告が簡単になる
2 高額医療の手続きが簡単になる
3 医療機関での受付がスムース
4 災害時でも医療情報が入手できる
5 健康診断データが活用できる
~~ 受付がスムース ~~
マイナンバーカードを読み取る機械にカードをセットし、機械に顔を認識させれば受付が終了します。
保険証の機能も持ち併せているため、保険証の提示が省けるのです。
また、政府は2024年秋に紙の保険証を廃止してマイナンバーカードに移行すると発表しました。
スムースに移行できるかはわかりませんが、政府は本気だと思います。
~~ 災害時での医療情報入手 ~~
神戸や東北の震災の際、日頃から服用しているお薬が判明せず、困る事例が多発しました。
また、避難の際、携帯電話やお財布に比べてお薬手帳は後回しになりがちです。
マイナンバーカードがあれば医療情報にアクセス出来ます。
また、普段は制限されてるアクセスを、被災地域に限定して制限を解除します。
余談ですが、神戸の震災の教訓として、イザという時でも活用できるように日頃からお薬を記録しておこう、というのがお薬手帳が普及ふるきっかけとなりました。
次回もメリットを紹介します。
2022/11/17
今回はマイナンバーカードと医療データを紐づけるメリットを説明します。
大きなメリットは5つあります。
1 確定申告が簡単になる
2 高額医療の手続きが簡単になる
3 医療機関での受付がスムース
4 災害時でも医療情報が入手できる
5 健康診断データが活用できる
~~ 確定申告 ~~
毎年2月中頃から始まる確定申告。医療費も含まれますね。
保管しておいた病院や薬局の領収書から合計を計算し、会場に出かけて申告する・・・。
マイナンバーがあれば、インターネットからポータルサイト(個人専用の総合受付窓口)にアクセスできます。
そのサイトでは病院や薬局での一年間の支払い総額がすぐにわかり、自分で計算する手間が省けます。
また、電子的に手続が行える e-Taxを用いれば確定申告会場に行かなくても自宅で申告が可能です。
~~ 高額医療 ~~
入院や高額な薬剤を使用する場合、一時的に高額の医療費を立替え、後から領収書を基に還付を受けます。
事前に申請も出来ますが、認定が必要な上に手続きには時間もかかります。
マイナンバーカードがあれば高額医療の設定も簡単に出来ます。
負担上限が設定されるので、必要以上の支払いが不要になります。
余談ですが、筆者の母親が転倒して突然入院した際、マイナンバーカードで費用上限の設定が出来て一定額までの支払いで済みました。面倒な手続きなしで高額な立替が不要になり、メリットを実感することができました。
次回も今回紹介出来なかったメリットを紹介します。
2022/10/20
突然ですが、マイナンバーカード申請手続きはもう終わりましたか?
え?まだしてない?
政府はお買い物に利用できるポイントをつけてまで普及を促進していますが、普及率は約4割に留まっています。
政府が大盤振る舞いをしてまで推進するのはナゼなのでしょうか?気になったので調べてみました。
マイナンバーは様々な場面で活用できるシステムです。
色々な個人データがマイナンバーを通じてコンピュータ間でスムースにやりとりができます。
また、紙を用いないので人件費、保管スペースが不要となり、迅速な情報取得が可能となります。
データの管理にかかるコストを大幅に削減することが出来るシステムなのです。
様々な個人データの中には、医療データも含まれています。
健康診断結果、カルテのデータ、検査画像、処方されたお薬の履歴などです。
政府は、このデータを医療機関同士で共有することで、重複する検査を減らして医療費を節約し、充実した医療につなげることを目指しているのです。
そのためにマイナンバーカードが保険証としても使えて、医療データへのアクセスが可能となる機能を持たせているのです。
ふ~ん、お安く運営できて便利なのね。
でも私のデータが漏洩したらイヤだわ・・・。確かに・・・私もそうです。
漏洩対策の説明をしたいところですが、その前に次回は医療におけるメリットを説明します。
2022/09/15
子宮頸(けい)がんの原因となるヒト・パピローマ・ウイルス=HPV。
最後はワクチンが救う命についてです。
大阪大学の調査では、無料接種を受けることが可能であった2000年度~2004年度生まれの女性を対象に研究を行いました。
この調査によると、無料接種の機会を逃してしまった人数は260万人になります。
仮に、そのうちの7割(182万人)が接種を受けていたら、将来子宮頸がんになる人は2.2万人少なくなり、更に5500人が亡くなるのを避けられる、と試算しています。
この試算での対象期間は4年間です。この期間が長くなるほど数字は更に大きくなっていきます。
2000年以降、毎年1万人を超す女性が子宮頸がんに罹っています。
新たに罹る人数も、亡くなる方も毎年徐々に増え、減っていないのです。
子宮頸がんになる主な年齢層は20~40代です。子育てや家庭を支える年代です。
通院や入院は家庭に大きな影響を及ぼします。残念なことに子供を残し亡くなる方もおられます。
この状況をどうにかできないのでしょうか?
有効な対策は、定期的な子宮がん健診の受診と、ワクチン接種です。
岡山市の健診は2200円の負担で受診できます。
また、ワクチンは年齢が適合すれば無料での接種も可能です。
ワクチン接種については様々な考え方があります。接種はあくまでも自己判断です。
ただ、このコラムの内容は客観的で科学的な情報を基にしています。
このコラムが判断の一助になれば幸いです。
2022/08/18
子宮頸(けい)がんの原因となるヒト・パピローマ・ウイルス=HPV。今回はワクチンについてです。
HPVは、タンパク質で出来た丸いボールの中に、糸状の遺伝子が入っています。
ガンを引き起こすウイルスは中身の遺伝子で、ボールだけではガンにはなりません。
HPVワクチンは中身が入ってないボールだけを体内で作り出します。
中身の入ってないボールは、ただの容器にしか過ぎず、ガンになることはありません。
作り出されたボールは人間の体内に存在しない物質なので、体内で作られたボールを体外から侵入した異物と認識し、攻撃して排除しようとします。その攻撃によってHPVに対する免疫が獲得できるのです。
HPVには200種類以上の型違いがありますが、ガンになるのは14種類、その中でガンリスクが高いのは2種類です。
それぞれボールの形状が微妙に異なります。少しでも形状が違うと免疫は認識することが出来ません。
そこで、リスクの高い2種類、4種類、9種類のボールを同時に作り出し、一気に免疫を獲得するワクチンが作られました。2価、4価、9価と呼ばれます。
市町村が公費負担で実施するワクチンの主流は4価です。
世界的な主流は9価です。日本でも流通してますが、公費負担ではなく自己負担となります。
免疫の獲得までに間隔を空けた3回の注射が必要ですが、一度獲得した免疫効果は一生涯続きます。
次回はワクチンが救う命に関してお話します。
2022/07/21
女性特有のガン、子宮頸(けい)がんは第4位です。乳がん、子宮体がん、卵巣がんに続きます。
子宮頸がんを引き起こす犯人は、ヒト・パピローマ・ウイルス=HPVです。
HPVは特別なウイルスではなく、男性にも女性にも体表面に存在するとてもありふれたウイルスです。
HPVには200種類以上のタイプがありますが、ガンになるのは14種類、その中でガンリスクが高いのは2種類です。
このウイルスは女性の体内にどうやって入り込むのでしょうか?
感染ルートは男性から女性です。プール、オフロ、温泉などでは感染しません。
まずウイルスは粘膜表面に取り付きます。女性粘膜についた小さな傷口から更に下の組織へと潜り込みます。
下の組織にまでたどり着いたHPVを攻撃する免疫を作るのがワクチンです。
約90%の人は免疫機能により、2年以内に自然排除されます。
約10%の人は感染が持続するものの、がんの前身である状態に移行するのは更にごくごく一部の人です。
この変化には長い時間がかかります。
がんの前身状態の治療は、外科的に切除する方法です。子宮口の頸部だけに病変がある場合は、頸部を円錐型に切除します。初期切除での生存率は約96%と大変高い数値です。
子宮は温存できるので出産は可能ですが、子宮口の組織が薄くなるので流産や早産の可能性が高くなります。
更に進行すると切除範囲が広くなります。
次回はHPVに対するワクチンの作用についてお話します。
2022/06/23
子宮頸がんの原因となるHヒト・パピローマ・ウイルス=HPV。
今回は日本におけるHPVワクチン接種の紆余曲折についてお話します。
HPVワクチンは、予防接種法に基づく定期接種ワクチンとして位置づけられています。
対象は小学校6年生~高校1年生の女子です。
ワクチン接種は、2013年4月に開始されましたが、わずか2ケ月後の6月に「積極的勧奨の差し控え」となりました。接種後の副反応が問題視されたのです。
その後は、希望者は接種できるものの、全員での一斉接種は行わないという状況が約8年続きます。
ただ、接種データ収集は続けられ約3万のデータが集まり、専門家による解析が行われました。
解析結果は、ワクチンが原因と考えられる重篤な副反応は、ごく少数ではあるが確実に存在する。
ただ、大多数の副反応はワクチンではなく、注射に伴う心理的な影響が大きく、ワクチンが原因とは考えにくい、という考察でした。
そして、2021年11月に厚生労働省から「積極的勧奨の差し控え」を廃止する通知が出されました。
実質的に再開されたのです。
地方自治体から対象者に個別のお知らせが始まります。
ただ、学校での集団接種ではありません。
個々に医療機関を受診して、接種を受けます。市町村が実施するため、公費負担となり自己負担はありません。
ふーん、紆余曲折があったのね。でも効果は?副作用はもっと心配だわ。
次回はHPVが引き起こす子宮頸がん、その次はワクチンのメリットデメリットについてお話します。
2022/05/19