お薬屋さんのコラム検索
10月から始まる選定療養制度、ご存知ですか?
ジェネリック医薬品を活用して医療費を抑えましょう、という制度です。
ジェネリック医薬品は、新しく開発された薬の特許が切れた後に発売されます。
莫大な開発費用が不要なので値段を安く出来ます。
そのため、ジェネリック医薬品の活用は医療費の抑制につながるのです。
7~9割を負担する健康保険の抑制効果は、数百億~千億円を見込める程なのです。
10月から始まる選定療養が求めていることは、ジェネリック医薬品への変更によって医療費を削減し、健康保険制度の持続に協力して下さいということなのです。
ジェネリック医薬品に変更した場合、薬代が安くなるので負担も少なくなる上、差額が生じないので負担はありません。
ジェネリック医薬品に変更しない場合は、変更によって生じたであろう金額の差額のうち、1/4を自己負担します。
今までの1~3割の自己負担分に加え、更に1/4の差額を追加で負担するのです。
この追加額は、負担割合、使用薬剤や数量、処方日数によって大きく変わるため、負担増は一概にこの位です、と試算することは困難です。
一例として3割負担の方で試算してみました。30日分では最低でも330円の負担増が生じました。
値段が高い薬を用いると、更に高くなり千円を超えるケースもありました。
赤松薬局では大体どのくらいの負担になるのか試算するアプリを準備してます。
気になったら先ずは赤松薬局までご相談下さい。
2024/09/19
突然ですが、伸びたり縮んだりするヒトの組織は何でしょうか?
んー、ヒジやヒザ?曲げ伸ばしっていうものね。
ヒジやヒザもそうですが、伸びたり縮んだりする組織は他にもたくさんあります。
膀胱、じん帯、肺、子宮、血管などです。伸びたり縮んだりするためには、組織に柔軟性が必要です。
ただ、柔らかいだけでは圧力に負けるため、強度を持たせる必要もあります。
その強度を保つのがコラーゲンです。
コラーゲンは柔軟性が無い硬いタンパク質で、コラーゲンだけでは固まりを作ることができずにバラバラになってしまいます。
そのコラーゲンを結びつけるゴムのような成分、それが今回の主役、エラスチンです。
エラスチンとは、主にコラーゲン同士を結び付ける働きを持つ繊維状のたんぱく質で、「弾性繊維」とも呼ばれています。エラスチンはゴムのように伸びたり縮んだりします。
弾力のあるエラスチンが、バラバラで固まらないコラーゲンを1つにまとめ上げ、組織に強度と柔軟性を持たせるのです。
エラスチンは血管、靭帯、肺、膀胱、子宮、皮膚など体内で弾力性や伸縮性が必要とされる組織に存在します。
皮膚の真皮では約5%、肺では約20%がエラスチンで構成されてます。動脈では約50%、じん帯では何と約80%の構成比率になります。
大きく伸び縮みして柔軟性が求められる組織ほどエラスチンが多くなってますね。
へぇ~。エラスチンが増えると皮膚に張りがでるの?
それって私がもっと美しくなるってコト?
・・・ハイ。次回は年齢によるエラスチンの変化についてです。
2024/08/29
今回は、包丁要らずのカンタン腸活レシピを2つ紹介します。
レシピ1 *** 鶏キムチ ***■
材料(1人分)
市販のサラダチキン 1枚 もやし 1/2袋 刻みネギ 適量
(A)キムチ 80g めんつゆ 小さじ1 ごま油 小さじ1 おろしにんにく 小さじ1/2 おろししょうが 小さじ1
■作り方
① 大きめの耐熱ボウルにもやしを入れ、ふんわりとラップをしてレンジで1~2分加熱する。
② サラダチキンをフォークで大きめにほぐす。
③ もやしの水気をキッチンペーパーで拭き取り ②と(A)を加えて和える。
④ お皿に盛り付け、刻みネギをちらして完成!発酵食品で腸内環境も整い、タンパク質もしっかり摂れる一品!
レシピ2 *** ゴマだれ納豆しらすのっけご飯 ***
■材料(1人分)
納豆1パック 釜揚げシラス15g 大葉1枚 ごはん 適量
(A)いりごま ・ すりごま 各大さじ1/2 ポン酢 大さじ1(A)砂糖 小さじ1/2 きざみのり 少々
■作り方
(1) (A)を混ぜる。納豆はタレ・からしを除いてかき混ぜる。
(2) 器にご飯を盛り付け、(1)に 納豆 と 釜揚げシラス、(A)のごまだれ ・ きざみのり ・ 大葉 をちぎってのせれば完成!。
納豆は栄養価が高く、植物性たんぱく質と食物繊維を含む上、納豆菌が腸内環境を整えます。
シラスはカルシウムたっぷり。納豆と合わせるとさっぱり風味に。
カンタンでしょ。どちらも約5分で完成します。ぜひ作ってみて下さいね。
2024/07/18
前回は、短鎖脂肪酸が腸内免疫に大きく関わっているというお話でした。
今回はアレルギーを抑える働きにも関与するというお話です。
人間には菌やウイルスを撃退する免疫システムが備わっています。
また、免疫には攻撃を加えるだけでなく、ブレーキをかける機能も備わっています。
アクセルとブレーキのように、免疫を強めるシステムと、行き過ぎないように抑えるシステムがあるのですね。
この免疫システムが過剰に働くと自分の体にも影響を与えてしまい、様々なアレルギー反応がおきます。
スギ花粉で鼻水や鼻詰まりがおきるのも、この反応が原因なのです。
丁度よいバランスが保たれていることで、感染症を防ぎながら、過剰な反応から起きるアレルギーにも悩まされずに程よい体調が維持出来るのです。
そのブレーキの効きを良くするのに腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸が関与している、という研究が注目されています。
短鎖脂肪酸が腸の免疫組織を刺激し、アレルギー反応にブレーキをかける物質を作り出します。
ブレーキをかける物質は腸から吸収され、全身のアレルギー反応を抑えるのです。
ヨーグルトや乳酸菌がアレルギーを抑える、というCMを花粉症の時期に見たことはありませんか?
腸活は花粉症などのアレルギーを抑えることにも有効なのです。
2024/06/20
突然ですが、エアコンの試運転はされましたか?
えっ、いきなり何の話?
今回は岡山市の月別平均気温を基に、5月に試運転をオススメする理由を説明します。
暑くなると真夏日や熱帯夜を天気予報などで聞くことが増えますね。
よく聞くけどその区別って・・・私は知りませんでした。調べてみました。
日中の最高気温によって呼び方が変わるのです。
最高気温が35℃を超える日は猛暑日、30℃を超える日は真夏日、25℃を超える日が夏日と定義されています。
ちなみに熱帯夜は、夕方から翌朝までの気温が25℃より下がらない夜と定義されています。
最高気温が25℃を超える夏日以上の日数を、岡山市で調べてみました。
ここ3年間平均では、4月は4日間、5月は16日間、6月は25日間、7月は30日間、8月は31日間、9月は29日間でした。
5月は約半分なので、過ごしやすいのです。
ちなみに、30℃を超える日数は、7月は21日間、8月は27日間、9月は13日間です。
暑くなったからエアコンを入れたけど・・・動かない!
慌てて修理を呼んでも、電気工事屋さんが忙しく、しばらく待つこともよく聞く話しです。
エアコンが無い室内では、熱中症につながることもあり危険です。
5月なら試運転でトラブルがあっても、電気工事屋さんに余裕があるため、早い対応がしやすい時期です。
また、エアコンを動かしてなくても熱中症になる心配が少ない時期です。
夏を迎える前に、エアコンのお掃除と試運転を5月中にしておきましょう。
2024/05/16
有限会社赤松薬局、赤松薬局中仙道店、赤松薬局古京店の3店舗では、
「オンライン資格確認システムを通じた患者の診療情報や薬剤情報等を取得して閲覧し、調剤や服薬指導等を行う際に活用しています」
「マイナンバーカードの健康保険証利用を促進するなど医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいます」
「電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスを活用するなど医療DXに関わる取り組みを実施しています」
2024/05/08
今回は、腹にたどりついたバイ菌やウイルスを撃退する防御システムと腸内細菌との関わりについてです。
腸内細菌には、人間には消化できない栄養素を食べて発酵を行い、人間に必要な物質に作り変える重要な役割があります。
人間が消化できない栄養素はオリゴ糖や食物繊維です。
あら、体にイイ食べ物だってよく聞くわよ。
その通りです。ただ、そのままで利用されるのではなく、腸内細菌の発酵によって別の栄養素に生まれ変わって利用されるのです。
発酵により作り変えられた栄養素が短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)です。
短鎖脂肪酸には、酪酸(らくさん)、酢酸、プロピオン酸などがあります。この短鎖脂肪酸の役割が腸内免疫と大きく関わるのです。
①腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌が増殖しにくい環境にする。
②腸粘膜を保護する細胞の増殖を活性化させる
③ウイルスだけでなく自分の体も攻撃してしまう過剰な免疫反応を抑え、免疫反応にブレーキをかける
④腹の動きを促し、食べ物の消化を助ける
⑤腸粘膜の血液循環を良くして再生を促し、食べ物との摩擦によってすり減る腸粘膜を一定の厚みに保つ
へぇ~。単なる居候じゃなく、ちゃんと働いているのね。でも役割ってこれだけなの?
実は、短鎖脂肪酸はアレルギーを抑える役割もあるのです。
アレルギーにも関わってるの?一体どういコト?次回に続きます。
2024/04/22
前回は、数々のハードルをくぐり抜けてお腹の中に入ってくるバイ菌やウイルスを迎え撃つ最前線の防御基地、免疫細胞が腸には多数存在することをお話しました。
腸にたどり着いた物質は栄養なのか?それとも害を与える脅威なのか?
判断を下すことから免疫反応は始まります。
その役割を担うのがリンパ組織の「パイエル板」です。
パイエル板が敵だ!と認識したら、迎撃システム稼働の指令が出ます。
指令を受けて迎撃するのは、T細胞やB細胞です。
直接戦うこともありますが、IgA抗体というミサイルを発射して迎撃します。
ちなみに、IgA抗体は初乳にも多く含まれ、生まれたばかりでまだ免疫がない赤ちゃんの腸管免疫をアシストしてくれます。
司令部はパイエル板、戦闘部隊はT細胞やB細胞、迎撃ミサイルはIgA抗体、これらがスムースに連動して防御するのです。
成程ねぇ~。私たちのお腹にはそんな防御システムがあるのね。知らなかったわぁ~。
あら、でも腸内細菌はどう関わっているの?
次回に続きます。
2024/03/29