お薬屋さんのコラム

チョット役立つマメ知識

ヒートショックはどうすれば防げるの?

前回は気温の変化によりおきる血管の変化についてお話しました。今回はお風呂に入るまでの室温差が血圧に与える影響を考えてみます。

なぜヒートショックは寒い時期に多く起きるのでしょうか?
原因は室温の急激な変化です。

さて、冬場の一般的な室温は、居間 22℃ → 脱衣所と浴室10℃ → 湯船 41℃ → 脱衣所 10℃です。
12℃下がり、31℃上がり、31℃下がります。体周囲の大きな温度変化が血管の収縮や拡張をもたらし、血圧を大きく変動させてヒートショックにつながりやすくなります。

気温が高い夏は、室温差が少ないためヒートショックが起きにくいのです。

10℃以上の温度差は要注意と言われています。この温度差を少なくすることが最大の予防となります。

➀ミニ温風ヒーターなどで脱衣所を温める (室温差を少なくします)
➁ふたを外してお湯をはる (浴室とお湯との温度差を少なくします)
③シャワーを浴室にかける (浴室全体の室温を上げます)
④かけ湯をして体を十分に温める (体とお湯の温度差を少なくします)
⑤40℃未満のぬるめのお湯 (過度な血圧低下を防ぎます)
⑥冷え込む深夜でなく、早めの時間に入浴する (室温差を少なくします)

しっかり対策して快適な冬を過ごしましょう。

2016/12/15

チョット役立つマメ知識

ヒートショックって何?

ここ数年、ヒートショックという言葉を新聞や雑誌で見かけるようになりました。
ヒートショックとは、室温の急激な変化により血圧や脈拍が変動しておきる体の不調のことです。
変動が大きい場合は、脳梗塞や心筋梗塞、意識を失うなどの不慮の事故につながることもあります。

ヒートショックにより亡くなられる方は全国で1万4千人と推定されています。交通事故によって亡くなられる方の実に3倍以上の人数なのです。
起きる時期は11月~2月と圧倒的に冬が多く、寒い時期は要注意です。

体の周囲の温度が下がった時は、血管は収縮して血圧は高くなります。
血圧が急に高くなると心臓や血管に圧力がかかり、脳梗塞や心筋梗塞につながります。

逆に体の周囲の温度が上がった時は、血管は開いて血圧は低くなります。
血圧が急に低くなると、血圧が下がりすぎて血液がスムーズに循環しなくなり、ふらつきや失神につながるのです。

短時間に血管や血圧が大きく変化することがヒートショックにつながるのです。
ではヒートショックを防ぐ対策はどうすればよいの?次回に続きます。

2016/11/17

介護保険について

認定調査って何をするの?

前回はケアマネを見つける方法を紹介しました。
今回は介護サービスが始まるまでの手続きの1つ、認定調査についてご紹介します。

介護保険では、どの程度の介護が必要かを調査して介護度を決めます。
そのための調査が認定調査です。

調査対象となる人は、①65歳以上の方 ②40歳から64歳までの国が定める病気の人です。
申請を受けた市町村から調査が出来る資格を持ったケアマネジャーや職員が自宅へ派遣され、調査を行います

調査には、5項目、55の質問が記載された全国共通の調査票を用います。
調査結果はコンピューターで解析し、申請者に必要な「介護の量」を算出します。

調査は調査票を基にした観察や聞き取りによる客観的なものですが、緊張したり、普段よりがんばったりすることもしばしばです。
そのため、同席した家族の意見は大変参考になります。

コンピューター判定結果と主治医の意見を基に有識者による認定審査会を経て介護度が決定されます。

初めて申請する際や訪問調査を受ける際は、不安なことや分からないことがあるのはとても自然なことです。担当のケアマネや市区町村の地域包括支援センターに遠慮しないで相談しましょう。
手続きを含めて色々なことを判り易く答えてくれると思います。

理由はシンプルです。より幸せな人生を、良い人生を歩んでいただきたい・・ケアマネは皆そう願っているからです。

2016/10/20

介護保険について

ケアマネを見つけるには?編

前回はケアマネジャーのお仕事について紹介しました。
介護保険の利用を考えているけれど、ケアマネって一体どこいるの?どうやって連絡をとるの?
今回は初めてケアマネに連絡をとる方法を紹介します。

自宅に住み続けながら様々な介護サービスを受けるプランを組立てる在宅のケアマネ。
担当は市から割り振られて決まるのではなく、利用者から連絡して面談して決めます。
知ってるケアマネはいなし一体どうすれば・・・実は市役所で紹介してくれるのです。

介護保険課や地域包括支援センターで「指定居宅介護支援事業所一覧」と「介護保険の利用手引き」(岡山市は「岡山市の介護保険」)をもらいましょう。

ケアマネは「指定居宅介護支援事業所」に所属しています。
内科や整形外科の診療所、薬局、老人保健施設やサービス付高齢者住宅などの介護施設、生協などに事業所が併設されていることも多いです。

一覧から選んだ事業所に電話で連絡してみましょう。より幸せな人生を、良い人生を歩んでいただきたい・・ケアマネは皆そう願っています。親身になって相談に乗ってくれます。

ただ、利用者もケアマネも人。人と人の相性はあります。
相性が良くないな・・と感じた場合は別の事業所に当たっても問題ありません。相談した事業所と必ず契約する義務はなく、利用者の意思が尊重されます。
長い付き合いになるからこそ、本人や家族が納得できる相性の良いケアマネを選ぶことはとても大切な事なのです。

2016/09/15

介護保険について

ケアマネとは何する人?

[介護保険 ケアマネとは何する人?編]
介護保険でよく聞くケアマネージャー。一体何をする人なのでしょうか?
ケアマネージャーやケアマネは通称で、正式名称は介護支援専門員です。

保険証があれば診てもらえる医療保険とは違い、介護保険はケアマネが立てたプランを基に行われます。

介護保険では、先ず市役所に利用を申請します。介護度を判定する調査を後日行い、審査を経てサービスの利用限度額が決まります。
身体の状態、生活状況、健康状態、家族で出来る介護、自宅の状態、収入等の経済状況、今後どのような生活を送りたいという要望をふまえ、必要な介護サービスを入れたプランを考えます。
介護サービスを担当する事業所を選び、交渉して調整を行い、プランが固まった後に契約となります。契約後から介護サービスが動き出します。
この申請から契約までの一連の調整がケアマネの仕事のひとつです。
プランが動き出した後も、不便な事や困っている事を把握してプランを修正します。そのため、定期的に訪問して意向や状態を確認することも大切な仕事です。

人生の後半に出会う人、ケアマネ。その力量が利用する方の人生に大きな影響を及ぼします。
より幸せな人生を、良い人生を歩んでいただきたい・・ケアマネは皆そう願っています。

 

2016/08/18

チョット役立つマメ知識

チャドクガの被害拡大を防ぐには?編

刺されると厄介なチャドクガ。
前回は刺された時の応急処置とその後の対応についてお話しました。
今回は厄介な毒針がついた衣服についてお話します。

チャドクガがまきちらした毒針は、繊維のすきまからも入り込んでしまう極小サイズで目には見えません。
この毒針が衣服についたままだと更に刺されて被害を広げます。
洗濯してもとれないどころか、他の衣服に移ってより被害が広がります。

最も有効なのは、服を捨ててしまうことです。
「モッタイナイ!」「えーお気に入りなのにぃ~」
はい、そんな人がほとんどですよね。

そこで熱による無毒化をおすすめします。
まず手に刺さらないようにゴム手袋をします。
ガムテープやコロコロ、掃除機で吸い取るなどの物理的な方法で取り除きます。
その後、スチームアイロンを当てる、乾燥機にかける、熱いお湯につけるなどで50℃以上の熱を加えます。
チャドクガの毒素は熱に弱いため無毒化できます。毒素を失った針ではカユくなりません。


厄介なチャドクガがいるツバキやサザンカの近くは注意しましょう。

2016/07/21

チョット役立つマメ知識

熱中症予防にエアコンが効果的なのはなぜ?

テレビで熱中症に注意を呼びかける季節になってきました。室内での熱中症予防には、エアコンが効果的です。
でも、エアコンはどうして効果的なのでしょうか? 

人間は汗腺から汗をかいて体温を下げます。
この汗、元々は血液中の水分であることはご存知でしょうか?血液中の水分を吸い上げ、汗腺から汗として出しているのです。

室内の温度が高いと、皮膚は気温が高いという情報を脳に送り、脳は汗を出す指令を送ります。
汗をかくためには、皮膚に近い血管の血液量を増やし、水分を吸い上げます。
そのため、皮膚近くに留まる血液が増え、体内を巡る血液の量は少なくなります。

また、水分を汗にとられた血液は粘度が高くなり、スムーズな体内循環が難しくなります。
そのため、脳に届く血液が少なくなってしまい、意識が遠くなったり失神につながってしまうのです。

皮膚が温度が高くないと感じればこの現象は防げます。
エアコンで適度な温度に保つことは熱中症を防ぐのに効果的なのです。
水分の補給、適度な温度設定で熱中症を予防しましょう。

2016/06/16

チョット役立つマメ知識

チャドクガに刺されたらどうする?

木々の緑が美しい季節になってきました。

この時期にツバキやサザンカの葉の裏にいる毛虫、それがチャドクガです。
フサフサとした毛があり、触るとマズイ!と思わせる見た目をしています。 

さて、このチャドクガ、迷惑な事に毒針の毛をまき散らします。
この毛は繊維のすきまからも入り込んでしまう極小サイズで、目には見えません。
さらに厄介な事に、釣り針のように先端が抜けにくい形をしています。 

この毒針毛が皮膚に刺さり3時間程すると、赤くポツポツと膨れ上がり猛烈にカユくなります。カユさで寝れなくなることもあるようです。

処置はまず皮膚に刺さった毒針を取り除きます。
ガムテープで刺さった針を出来るだけ皮膚から抜き取り、水で流します。
手で払うと、手や他の皮膚に刺さって被害を拡げてしまいます。

その次にステロイドの塗り薬を使います。
チャドクガの毒はかなり強く、炎症を抑える効果が弱い薬では症状を抑え切れません。

また、カユミを止める飲み薬を使うこともあります。皮膚科を受診しましょう。

刺された直後は缶コーヒーやカイロを当てるのも応急処置としては有効です。チャドクガの毒は熱に弱く、約50℃で毒性を失います。

次回は衣類の処置と予防方法についてお話します。

2016/05/19

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