お薬屋さんのコラム検索
前回は感染傾向を判断する指標についてお話しました。
今回は新型コロナに対するアルコール消毒についてお話します。
トゲトゲした新型コロナウイルスをテレビで見たことがあると思います。
ウイルスの遺伝子は、二重構造の脂肪で出来た膜で覆われています。
(脂質二重膜、エンベロープと呼ばれます)
その膜に突き刺さる形で尖ったタンパク質(スパイクタンパク質、カプソメアーと呼ばれます)が存在します。トゲトゲして見えるのは、このスパイクタンパク質なのです。
油で出来た丸いボールの中に糸状の遺伝子が1本入っていて、ボールにはトゲトゲがたくさん突き刺さっている。イメージできたでしょうか。
新型コロナは丸いボール=エンベロープを持つ構造をしています。
脂質で出来たエンベロープは、脂質を溶かす界面活性剤やアルコールなどで割れて壊れてしまいます。
ボールが割れて遺伝子がむき出しになった状態のウイルスは、感染力を失ってしいます。
ですので、消毒用アルコールは、エンベロープを持つウイルスに対して大変効果的なのです。
ちなみに、エンベロープを持たないウイルスもいます。ニュースなどで聞くのはノロウイルスです。消毒用アルコールは効きにくく、次亜塩素酸ナトリウムなどでの消毒が必要となります。
新型コロナウイルスの撃退には、イスやテーブルのアルコール消毒、手を洗った後のアルコール消毒は大変有効な方法なのです。
拡大を防ぐためには他にも何をすれば良いのでしょうか?
え?耳にタコができる程色々聞いているよ。
まぁまぁ・・・次回は感染症学的な予防方法を紹介します
2020/12/17