お薬屋さんのコラム検索
冬が近づいてきましたね。寒い時に体をじんわり温めてくれる使い捨てカイロ。重宝しますね。
でも、使い捨てカイロはどんな原理で熱を発するのでしょうか?
使い捨てカイロは、金属の鉄が酸素によって変化する酸化反応を利用してます。
その反応の際に出てくる熱を利用してるのです。
へ?よくわかんない。
鉄を放置しておくと、サビが出てきますよね。
この変化は、鉄が空気中の酸素と反応して酸化し、鉄から水酸化第二鉄へと変化する化学反応なのです。
水酸化第二鉄は赤味を帯びているので、サビは赤く見えるのです。
この化学反応は、熱エネルギーを放出します。
使い捨てカイロには、鉄と反応を促進する物質が、熱放出が適温になる比率でブレンドされているのです。
ちなみに赤サビが出来る時も熱を放出してますが、とてもゆっくり反応が進むので触っても熱さを感じることがないのです。
使い捨てカイロの鉄分が反応するためには、酸素が必要です。
酸素が無ければ反応は進まず、止まってしまうのです。
ということは、一時停止が出来るということですね。節約につながります。
詳しく知りたい方は、インターネットで「使い捨てカイロ」「ジップロック」で検索してみて下さい。
また、ゴミに出す際も空気を遮断した状態で出すと発火を防げます。ちなみに岡山市では可燃ゴミとして出してよいみたいです。
体をじんわり温めてくれる使い捨てカイロ、上手に適切に使って寒い冬を乗り切りましょう。
2024/11/21
突然ですが、伸びたり縮んだりするヒトの組織は何でしょうか?
んー、ヒジやヒザ?曲げ伸ばしっていうものね。
ヒジやヒザもそうですが、伸びたり縮んだりする組織は他にもたくさんあります。
膀胱、じん帯、肺、子宮、血管などです。伸びたり縮んだりするためには、組織に柔軟性が必要です。
ただ、柔らかいだけでは圧力に負けるため、強度を持たせる必要もあります。
その強度を保つのがコラーゲンです。
コラーゲンは柔軟性が無い硬いタンパク質で、コラーゲンだけでは固まりを作ることができずにバラバラになってしまいます。
そのコラーゲンを結びつけるゴムのような成分、それが今回の主役、エラスチンです。
エラスチンとは、主にコラーゲン同士を結び付ける働きを持つ繊維状のたんぱく質で、「弾性繊維」とも呼ばれています。エラスチンはゴムのように伸びたり縮んだりします。
弾力のあるエラスチンが、バラバラで固まらないコラーゲンを1つにまとめ上げ、組織に強度と柔軟性を持たせるのです。
エラスチンは血管、靭帯、肺、膀胱、子宮、皮膚など体内で弾力性や伸縮性が必要とされる組織に存在します。
皮膚の真皮では約5%、肺では約20%がエラスチンで構成されてます。動脈では約50%、じん帯では何と約80%の構成比率になります。
大きく伸び縮みして柔軟性が求められる組織ほどエラスチンが多くなってますね。
へぇ~。エラスチンが増えると皮膚に張りがでるの?
それって私がもっと美しくなるってコト?
・・・ハイ。次回は年齢によるエラスチンの変化についてです。
2024/08/29
突然ですが、エアコンの試運転はされましたか?
えっ、いきなり何の話?
今回は岡山市の月別平均気温を基に、5月に試運転をオススメする理由を説明します。
暑くなると真夏日や熱帯夜を天気予報などで聞くことが増えますね。
よく聞くけどその区別って・・・私は知りませんでした。調べてみました。
日中の最高気温によって呼び方が変わるのです。
最高気温が35℃を超える日は猛暑日、30℃を超える日は真夏日、25℃を超える日が夏日と定義されています。
ちなみに熱帯夜は、夕方から翌朝までの気温が25℃より下がらない夜と定義されています。
最高気温が25℃を超える夏日以上の日数を、岡山市で調べてみました。
ここ3年間平均では、4月は4日間、5月は16日間、6月は25日間、7月は30日間、8月は31日間、9月は29日間でした。
5月は約半分なので、過ごしやすいのです。
ちなみに、30℃を超える日数は、7月は21日間、8月は27日間、9月は13日間です。
暑くなったからエアコンを入れたけど・・・動かない!
慌てて修理を呼んでも、電気工事屋さんが忙しく、しばらく待つこともよく聞く話しです。
エアコンが無い室内では、熱中症につながることもあり危険です。
5月なら試運転でトラブルがあっても、電気工事屋さんに余裕があるため、早い対応がしやすい時期です。
また、エアコンを動かしてなくても熱中症になる心配が少ない時期です。
夏を迎える前に、エアコンのお掃除と試運転を5月中にしておきましょう。
2024/05/16
渋柿はナゼ渋いのでしょうか?
子供の頃に渋柿をガブっといったことがあります。その渋さといったら・・40年経った今でも覚えています。
でも渋柿はナゼ渋いのでしょうか?
渋柿だからだろ。ハイ、その通り。以上で今月のコラムを終了します。オイオイ終わりかよ!
渋みを感じる物質はタンニンという化学成分です。
このタンニンはとても水に溶けやすく、唾液にも容易に溶けこみます。
唾液に溶けて口に広がったタンニンは、口粘膜のタンパク質を変化させます。
肌や粘膜のタンパク質を変性させて引き締める「収れん」という効果です。
化粧水にも肌を引き締める収れん化粧水がありますよね。
この変化によって、口の中全体に張り付いたような渋みを感じるのです。
余談ですが、タンニンによる収れん作用、下痢止めにも応用されてます。
タンニンを蛋白と結合させた医薬品、タンニン酸アルブミンは、消化酵素によってタンニンとタンパク質に腸で分離します。分離したタンニンによる収れん作用で下痢を止めるのです。
さて、タンニンが水に溶けると渋みを感じます。
水に溶けない状態にタンニンが変化すると、収れん作用がおきなくなるため、渋みを感じなくなります。
この変化を起こさせるのが渋抜きです。焼酎につけたり干したりと様々なやり方がありますね。
実は、甘柿にもタンニンは含まれてます。
甘柿のタンニンは水に溶けない状態となっているため、渋みを感じないのです。
甘いか渋いかの違いは、タンニンが水に溶けるか溶けないかの違いなのです。
甘くなる理由はわからなくても、昔の人は経験を積み重ねて秋の味覚を楽しんでいたのですね。
先人の知恵は偉大ですね。
2023/11/16
突然ですが、エアコンの試運転はされましたか?
えっ、いきなり何の話?
今回は岡山市の月別平均気温を基に、5月に試運転をオススメする理由を説明します。
暑くなると真夏日や熱帯夜を天気予報などで聞くことが増えますね。
よく聞くけどその区別って・・・私は知りませんでした。調べてみました。
日中の最高気温によって呼び方が変わるのです。
最高気温が35℃を超える日は猛暑日、30℃を超える日は真夏日、25℃を超える日が夏日と定義されています。
ちなみに熱帯夜は、夕方から翌朝までの気温が25℃より下がらない夜と定義されています。
最高気温が25℃を超える夏日以上の日数を、岡山市で調べてみました。
ここ3年間平均では、4月は4日間、5月は16日間、6月は25日間、7月は30日間、8月は31日間、9月は29日間でした。
5月は約半分なので、過ごしやすいのです。
ちなみに、30℃を超える日数は、7月は21日間、8月は27日間、9月は13日間です。
暑くなったからエアコンを入れたけど・・・動かない!
慌てて修理を呼んでも、電気工事屋さんが忙しく、しばらく待つこともよく聞く話しです。
エアコンが無い室内では、熱中症につながることもあり危険です。
5月なら試運転でトラブルがあっても、電気工事屋さんに余裕があるため、早い対応がしやすい時期です。
また、エアコンを動かしてなくても熱中症になる心配が少ない時期です。
夏を迎える前に、エアコンのお掃除と試運転を5月中にしておきましょう。
2023/05/18
コロナが落ち着いて今年は忘年会があるぞ!楽しみだ!という方もおられるのではないでしょうか。
いいですねぇ~、私も宴会大好きです。
さて、突然ですが、そんなあなたに質問です。
お酒を飲んだ最後に「締めのラーメン」が欲しくなるのはナゼでしょうか?
そりゃ~そういうモンだろ。確かに!納得です。
実はお酒の分解と血糖値が関係するから欲しくなるのです。
とても身近なアルコール、実は人体にとっては有毒な物質なのです。
そのため、身体は糖分を吸収してエネルギーに変えるよりも先に、アルコールを分解して体から排泄することを優先します。
つまり、お酒の分解が優先され、食べ物をエネルギーに変えるのは後回し、ということです。
1次会で美味しいものを食べても、アルコールの分解が優先され、ゴハンの吸収はあまり進みません。
2次会、3次会で更にアルコールが入ると、更なるお酒の分解にエネルギーが使われ、体は糖分が不足した低血糖の状態になります。
人間は血糖値が下がると空腹を感じます。だからシメのラーメンが欲しくなるのですね。
消化の良いおつまみと一緒にお酒は程々の量で楽しく・・・わかっちゃいるけどですね。
え、シメのラーメンはどこが美味い?私は・・・最後は山富士です。
2021/12/16
年末年始のお付き合いが増える時期になりました。楽しくてついつい・・翌朝ヘロヘロ。はぁ~また、やってしまった・・・反省したことがある人もおられるのではないでしょうか。
あれ、先月もお酒の話しだった気が・・・前回は、吸収されたアルコールが体の外に出て行くまでをお話しました。
今回は、アルコールが吸収される過程をふまえ、お酒の上手な飲み方を考えます。
さて、お酒に含まれるアルコールは体のどこで吸収されるのでしょうか?
そりゃ胃腸に決まってるだろう。ハイその通りです。
食べ物や飲み物は口から食道を通り胃へ、胃から腸へと送られます。アルコールの吸収は、大部分が腸からです。
その割合は、胃で約20%、腸で約80%です。
胃から腸にアルコールがゆっくりと送られれば、吸収のスピードも緩やかになり、急に酔わないことになります。
胃の中に留まる時間の長い短いがアルコールの吸収スピードに影響するということですね。
ではアルコールが胃の中に留まる時間を長くするものとは・・・ズバリ食べ物です。
食べ物は、胃で消化しやすい状態にされてから腸へと送られます。
食べ物があるとアルコールも一緒に胃の中に留まるため、ゆっくり酔うのです。
和食コースの1品目「先付」には、空腹でのアルコール吸収を防ぐ意味合いもあるのです。
また、消化の良い物より、消化に時間がかかる繊維質が豊富な料理の方が留まる時間は長くなります。お酒は美味しく楽しく付き合うのが一番ですね。
逆に空きっ腹でお酒を飲むと早く酔います。胃をほぼ素通りして腸に届くからなのですね。
え、家に帰ってすぐビールを飲むとウマいし、すぐホロ酔いになるな・・・そのために仕事をしてるようなもんだ?実は私も・・・まったく酒飲みってやつは・・・
2019/12/19
お酒に含まれるアルコール、体のどこで分解されるのでしょうか?そりゃ肝臓に決まってるだろう。ハイその通りです。
今回は、吸収されたアルコールが体の外に出て行くまでと、お酒との上手な付き合い方を考えます。
胃腸から吸収されたアルコールは、血液の流れに乗って全身を巡ります。
脳に届いたアルコールが脳を麻痺させるため、お酒に酔うのですね。
また、全身を巡る血液により肝臓に届いたアルコールは、酵素の働きによって分解され無毒化されます。
肝臓の働きにより、時間の経過とともに血液中のアルコールは徐々に少なくなり、酔いが覚めるのです。
肝臓の酵素によりアルコール→アセトアルデヒド→酢酸という物質まで変化し、無毒化されます。そして体外へと排泄されます。
無毒化の過程で出来るアセトアルデヒドが頭痛や動悸などの二日酔いの原因となる物質です。このアセトアルデヒドが増え過ぎないようにすることが、二日酔いにならずに楽しくお酒と付き合うコツになります。
対策は2つ。分解能力を上げること、排泄量を増やすことです。
肝臓の働きを助けて分解能力を上げる医薬品をお酒の前に服用するのも良いですね。
排泄量を増やすには、むくみをとる漢方薬などが用いられます。お水を飲んで尿量を増やすのも効果的です。
お酒は美味しく楽しく付き合うのが一番ですね。
あ、もう1つ対策がありました。アルコールを摂取しないこと・・・です。
2019/11/21