お薬屋さんのコラム

チョット役立つマメ知識

天気予報の気温はどのようにして測る?

天気予報で最高気温とともに熱中症への注意を呼びかける時期ですね。
突然ですがこの気温、どのようにして測定しているか・・・ご存知ですか?

気温や雨量は、アメダスという自動計測システムを用いて測定しています。このアメダス、日本全国で測定条件を統一するための設置基準があります。
気温は、地上から1.5mの位置であること、風通しが良いこと、下は芝生であることなどの条件を満たす位置で測定することが要求されています。
翌日の気温はこのようにして測定したデータを基に予想されます。

私たちが住んでいる街中ではアスファルトによる照り返しのため、実際に感じる体感気温は予想気温より更に高いものとなります。
一般的には+5℃程高く感じると言われているようです。予想最高気温が35℃の場合、実際には40℃近くに感じるということになりますね。

大人より背が低く、より地面に近い子供や犬は照り返しの影響で更に高く感じます。
ベビーカーの赤ちゃんも同様です。

日中のお出かけには水分や塩分を補給して熱中症を予防しましょう。
また、お散歩やウォーキングは日中ではなく、涼しい早朝がおすすめです。日が落ちて気温が下がる夜は、反射たすきをかけて交通事故を防ぎましょう。

2018/07/19

チョット役立つマメ知識

鏡の作り方ってご存知ですか?

突然ですが・・・鏡の作り方ってご存知ですか?
金属の銀で皮膜を形成する銀鏡反応という化学反応を利用して作ります。

えっ、鏡って銀で出来てるの?
はい、原料としては高価ですが、他の原料に比べて光を反射する性能が群を抜いて高く、今現在でも鏡の原料として用いられています。

この銀鏡反応を利用して天体望遠鏡を自分でメンテナンスしたいけど原料が手に入らない。どうにか手配してもらえんか?という相談がありました。
天体望遠鏡の鏡を研磨する専門の業者もいるらしいが70万円程するらしい・・・それなら自分で、ということでした。

あちこちの問屋さんに問い合わせ、銀の皮膜を落とす酒石酸、銀鏡反応に必要な4種類の試薬を手配しました。

薬局ではお薬を売るだけでなく、様々な化学物質の販売もしています。化学物質を扱うのも薬局の仕事のひとつなのです。
オリーブの渋抜きや、天ぷらなど揚げ物に使った油から石鹸を作る苛性ソーダが欲しいという要望は時々あります。人類が積み上げてきた化学の知恵を実感できるとともに、大変勉強になります。

さて、試薬を手にしてニコニコしながら帰って行かれましたが・・・出来上がりが気になりますね。

2018/06/21

チョット役立つマメ知識

歯科医師会の取り組み ~家族の絆プロジェクト~

地震や台風などの自然災害が少ない岡山。
しかし南海トラフ地震などの災害はいつ襲ってくるのかは誰にもわかりません。日頃からの備えが大事です。
さて、今回は災害時に役に立つ岡山県歯科医師会の取り組みを紹介いたします。

2011年の東日本大震災の際、身元確認に歯の治療記録との照合が行われたのはご存知でしょうか?
カルテの記録を基に実際の歯を検証すると、かなりの確率で本人かどうかの判断が可能となります。普段診察していなくてもカルテさえあれば判ると歯科の先生も言っていました。見る人が見れば判るものなんですね。

しかし、このカルテが災害で失われてしまうと照合は難しくなります。
そこで医院とは別の場所にデジタル化した記録を保存しておくというのが今回の取り組み、「家族の絆プロジェクト」です。

虫歯を治療した歯、詰め物にはどんな材質を用いているなどのデータを専用の用紙に記録し、歯科医師会にデジタル化したデータを保管します。
日頃からお世話になっている歯科医師の先生に登録の相談されてみてはいかがでしょうか。登録や記録の保存にはお金はかかりません。

 このデータを活用する機会がない事を願うばかりですが、いざという時の備えとして登録を考えてみても良いのではないでしょうか。

2018/05/17

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ユーキャンの通信講座で薬剤師になれるの? ~その3~

さて、前回までは国家試験までの長い道のりについてお話しました。
今回は合格した後について紹介します。

長い長い時間と様々な関門をパスして合格したら、晴れて薬剤師!となれるわけではありません。
いくつかの手続きの後、厚生労働省の薬剤師名簿に登録された後、薬剤師免許が交付されて新たな薬剤師が誕生します。

メデタシメデタシですが・・・薬学生という種からやっと新芽が出たばかりです。信頼される薬剤師として大きな木に成長するためには、膨大な経験と勉強が要求されます。
次々と出てくる新しい薬や治療方法への知識から店頭で取り扱う市販薬の知識までを数々の勉強会に参加して学びます。

勉強会は閉店後や日曜に行われることがほとんどです。一生続くゴールのない勉強を続けています。
なぜ薬剤師は自分の時間を削てってまで新しい知識を得ようとするのでしょうか?

皆さんに健康で笑顔あふれる人生を送って頂きたい、そのために薬を活用するお手伝いがしたい、と全ての薬剤師は心から願っているからです。
より大きな効果をより少ない副作用で、プラスを大きくマイナスを少なくお薬を活用して頂くために薬剤師は存在します。

ですからお薬や病気の疑問などがあれば薬剤師にどんどん質問して下さい!
薬剤師をどんどん活用しましょう。
私たち薬剤師は期待にお応えできる薬剤師を目指しています!

2018/04/19

チョット役立つマメ知識

ユーキャンの通信講座で薬剤師になれるの? ~その2~

5年生では病院11週間、薬局11週間、合計5ヶ月にも渡る実習があります。
ただ見学するだけでなく、一緒に薬を準備したり、患者さんと話をしたりなど実務的な内容から市販薬、教育現場での薬剤師の活動、地域での活動など多様なカリキュラムがあります。

6年生で卒業論文を書いて単位をクリアした後は、最後の難関、卒業試験です。
国家試験と同レベルの問題が出ます。この卒業試験に落ちると・・・最後の最後で留年です。(泣)
卒業試験に合格したら晴れて卒業です。メデタシメデタシですが・・・卒業は国家試験の受験資格が得られただけに過ぎません。
いよいよ最後の難関、一発勝負の国家試験に望みます。

国家試験は年に1回、2月下旬の土曜日曜の2日に渡って実施されます。
合格率は約70%、合格すれば薬剤師、落ちたら唯のヒト・・来年の試験のために浪人する人もいます(泣)
3月の終わりの合格発表までは落ち着かない日々を過ごします。
受かったらもう薬剤師?いえいえ、次回は合格した後についてお話します。

2018/03/15

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ユーキャンの通信講座で薬剤師になれるの?

薬剤師になるにはどうすればよいのでしょうか?
ユーキャンに申し込んで・・・ではなく6年制の薬学部を卒業する必要があります。
卒業すれば薬剤師になれるわけではありません。薬剤師の国家試験を受験する資格が卒業して初めて得られるのです。他の学部では受験資格は得られません。
薬剤師になるためには薬学部卒業が必須なのです。ですので・・・ユーキャンでは無理です。(笑)

さて、薬学部ではどんなことを学ぶのでしょうか?
4年生までは英語などの一般教養以外にも、薬学部ならではの講義があります。
薬理(体にどのように作用するのか)、病態生理(病気に対する知識)から環境について学ぶ公衆衛生、漢方の原料に使う生薬など多岐に渡る講義があります。どれも馴染みがない講義ですね。

4年生の最後には大きな2つの関門があります。5年生に行われる実務実習に出れるレベルに知識や技能が達しているかを問う試験です。オスキー(OSCE)とCBTと呼ばれています。

OSCEとは患者さんとの対話や調剤方法についての実務的な試験です。試験は学校内を締め切って厳格な雰囲気で行われ、試験内容は一切口外してはいけません。
CBTとは4年生までに学んだ知識を問われる、パソコンを用いた選択問題による試験です。

どちらにも合格して初めて5年生に上がれ、実習に出ることができます。では、実習ではどのようなことを行うのでしょうか?次回に続きます。

2018/02/15

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コタツ寝にはご用心

冬になりコタツが心地よくなりました。ポカポカしてついついウトウト。経験のある方も多いと思います。
でも、これって・・・とても危いことなのです。今回はコタツ寝が招くトラブルについてお話します。

人間は寝ている間に体温を下げ、エネルギーの消費を抑えます。体温が下がるので、汗として皮膚から逃げる水分も少なくなりますが、冬でもコップ1杯程の汗を寝てる間に自然とかきます。
さて、コタツで寝てしまい体温が高い状態が続くとどうなるのでしょうか。

コタツの温度は体温より3~4℃高い約40℃。汗をかくのも当然です。
体温が1℃上がるだけで自然と失う水分量は15%も増えます。体温より3~4℃も高いコタツで長い時間ウトウト・・・汗をかいて水分を失い脱水状態になります。

汗は血液中の水分から作られます。汗をかき続けると、水分が減って粘度が高いドロドロとした血液となります。
つまり、血液が固まる血栓ができやすい状態となるのです。

この血栓が脳や心臓の血管を詰まらせると大きなトラブルにつながります。実際コタツで寝ていて突然死した方もいらっしゃいます。
ホットカーペットを布団の下に敷くのも同じ原理でおすすめできません。

コタツに入る時はお茶などで水分を補給しましょう。
また、ビタミンCを多く含むミカンは、カゼの予防になるだけでなく水分の補給にもなります。冬にコタツでミカンは理に適っているのですね。

2018/01/18

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意外に起きる冬の脱水

人間が一日に必要とする水分の量はどのくらいかご存知ですか?

ズバリ答えは2.3リットルです。もちろん飲むだけでなく、ご飯などに含まれる水分も含めての量ですが、大きなペットボトルよりも多い量なのです。

通常は、体内に入ってくる水分と、出て行く水分は同じ量です。しかし、入ってくる量より出て行く量が多くなると、体内の水分が減ります。この出納バランスが崩れた状態が脱水です。

汗を多くかく夏におきるイメージが強いですが、寒い冬でも意外に起こります。
寒いと余計にトイレが近くなるからと飲む水分量が少なくなることや、インフルエンザやカゼによる発熱、ノロウイルスによる下痢などが原因となります。
体内の水分が少ない高齢者や小さなお子さんは特に注意が必要で、脱水状態が続くと、点滴や入院などの対応が必要となることもあります。

脱水を避ける最も有効な方法はやはり水分補給です。
暖かい飲み物は水分を補給してくれるだけでなく、体も暖まる上、胃腸に熱を与えて動きを良くし、消化を助けてくれます。
寒い冬は暖かい飲み物が美味しい季節です。快適に過ごしましょう。

2017/12/21

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