お薬屋さんのコラム検索
前回は電子処方箋のメリット、個人を特定するためにマイナンバーカードを活用することをお話しました。
では、マイナンバーカードを持っていないと電子処方箋は利用できないのでしょうか?
答えは、持っていなくても利用出来ます。
診察後に処方せんを発行するのは変わりありません。
今まで通りの馴染みのある紙の処方箋にする、または、デジタルデータで送信する電子処方箋にする、いずれかを選択します。
紙の処方箋を選択した場合は、今まで通り紙に印刷した処方箋を渡してくれます。
電子処方箋を選択した場合は、引き換え番号というデータにアクセスできる番号を印刷した紙を渡してくれます。
薬局でその番号を見せれば、マイナンバーカードが無くても、電子処方箋を保管してあるサーバーにアクセスができて電子処方箋を受信することが出来るのです。
紙に印刷した処方箋の変わりに引き換え番号を渡す、というイメージですね。
ただ、2023年3月時点では、電子処方せんを発行できる病院数は全国でも66、岡山では0です。
ちなみに受け取る薬局数は全国で約900、岡山県では5です。
2023年1月に始まったばかりの新しい仕組み、普及するにはもう少し時間がかかりそうですね。
2023/04/22
ポイントを大盤振る舞いしてまで政府はマイナンバーカード普及を推進しています。
政府はマイナンバーカードをどのように活用しようとしているのでしょうか。
今回から医療データのデジタル化についてお話します。
処方箋は、紙に印刷したものだけでしたが、今年の1月から日本全国で電子処方箋の運用が始まりました。
厚生労働省が運用する公的なサーバーの伝送システムを活用し、病院や医院からデジタルデータ化した処方箋を薬局に送るのです。
データ化された処方を送る前に、同じ薬が違う病院からも出ていないか、副作用が出やすくなる薬の組み合わせはないかなどのチェックがかかります。
先行して試験運用した地域では、約10万件の処方に対して、約3.6%の約4000件でお薬の重複がピックアップされたようです。結構ありますね。お薬代にすると、かなりの額が節約できたとのことです。
成程ね~。お薬がより安全に選べて、無駄が省けるってことね。でも、マイナンバーカードとの関係は?
病院や医院では、電子処方箋データをサーバーに送信する際に、個人を特定するためにマイナンバーカードが活用されるのです。受付の際に機械に通せば手続きは簡単に終わります。
また、薬局でも受付の際に提示すれば、個人が特定できるため薬局のシステムが電子処方箋データを受信できるのです。薬局でも受付の際に機械に通すだけです。
電子っていうから難しいと思ったけど、意外と簡単なのね。
でもマイナンバーカードを持ってないと電子処方箋は利用出来ないの?次回に続きます。
2023/03/17
今回は、病院や薬局でのマイナンバーカードの手順について説明します。
手続きはカードを機械に入れて、何回かタッチする、以上。簡単でしょ。
①マイナンバーカードの機械です。 ②カードを差し込みます。
① ②
③本人確認をします。 ④顔認証、暗証番号どちらかで行います。
③ ④ ④
⑤健康診断データの参照確認です。 ⑥終了です。カードをお忘れなく!
⑤ ⑥
ややこしい手続きをしてまで作ったマイナンバーカード。
せっかく持ってるなら一度試してみませんか?
手順が分からなければスタッフまで聞いて下さい。意外と簡単ですよ。
2023/02/16
医療データと紐づけたマイナンバーカードのメリットを説明してきましたが、今回はセキュリティについてお話します。
マイナンバーカードでアクセス出来る情報は医療だけではありません。納税や戸籍、年金などの情報にもアクセスが可能です。
ただ、これらの情報はマイナンバーカードには収納されていません。
マイナンバーカードはこれらのデータベースにアクセスするためのカギを開ける情報だけが収納されているのです。
アクセスのカギは2つあります。
1つが顔写真による顔認証。もう1つが4ケタの暗証番号です。顔写真は顔を認識するため、本人以外は受け付けません。
問題は暗証番号です。暗証番号が分かれば誰でもアクセスが可能です。
銀行のキャッシュカード同様に他の人に知られないようにしましょう。
ただ、キャッシュカードと同く、マイナンバーカードを持っていなければ暗証番号を知っていてもアクセスは不可能です。
マイナンバーカードで納税データ、戸籍情報、医療情報など様々なデータにアクセスが可能となりますが、それぞれのデータは別々のデータベースに分散されて収納されています。
全てのデータが一か所に収納されているわけでは無いので、芋づる式に様々なデータが引き出せる訳ではありません。
また、マイナンバーカード自体にプライバシー性の高い情報は入っていません。
あくまでもアクセスするためのカギの役割なのです。
個人情報が漏れないように2重3重の対策がとられているのです。
2023/01/19
今回も医療データと紐づけたマイナンバーカードのメリットを説明します。
5つあるメリットの5を紹介します。
1 確定申告が簡単になる
2 高額医療の手続きが簡単になる
3 医療機関での受付がスムース
4 災害時でも医療情報が入手できる
5 健康診断データが活用できる
~~ 健康診断データの活用 ~~
医療機関が特定健診の結果や、使用しているお薬の内容を入手できるようになります。
今後、手術や特定健診以外の検査データなど更に多くの情報も参照できるように整備が進められています。
情報を共有できることは、検査やお薬の重複を無くすことにつながり、医療費の節約へとつながっていくのです。
また、これらのデータは無断で入手されることはありません。
データにアクセスが可能となるのは、受付時に情報を参照することに同意して頂けた方のみです。
無駄な医療コストの削減は健康保険の効率的な運営につながり、世界でも有数の優れた医療体制の持続へとつながるのです。
余談ですが、筆者の母親が転倒して突然入院した際、日頃服用している薬剤の情報がすぐに入手できた上、治療に影響する薬剤を入院中は一時的に止めることになりました。マイナンバーカードの効果を実感しました。
フーン、色々なメリットがあるのね。知らなかったわ。
でも、私のデータが漏洩するのはイヤだわ。私の体重なんてトップシークレットよ!
トップシークレット・・・確かに。次回はセキュリティについてお話します。
2022/12/15
今回も医療データと紐づけたマイナンバーカードのメリットを説明します。
5つあるメリットの3と4を紹介します。
1 確定申告が簡単になる
2 高額医療の手続きが簡単になる
3 医療機関での受付がスムース
4 災害時でも医療情報が入手できる
5 健康診断データが活用できる
~~ 受付がスムース ~~
マイナンバーカードを読み取る機械にカードをセットし、機械に顔を認識させれば受付が終了します。
保険証の機能も持ち併せているため、保険証の提示が省けるのです。
また、政府は2024年秋に紙の保険証を廃止してマイナンバーカードに移行すると発表しました。
スムースに移行できるかはわかりませんが、政府は本気だと思います。
~~ 災害時での医療情報入手 ~~
神戸や東北の震災の際、日頃から服用しているお薬が判明せず、困る事例が多発しました。
また、避難の際、携帯電話やお財布に比べてお薬手帳は後回しになりがちです。
マイナンバーカードがあれば医療情報にアクセス出来ます。
また、普段は制限されてるアクセスを、被災地域に限定して制限を解除します。
余談ですが、神戸の震災の教訓として、イザという時でも活用できるように日頃からお薬を記録しておこう、というのがお薬手帳が普及ふるきっかけとなりました。
次回もメリットを紹介します。
2022/11/17
今回はマイナンバーカードと医療データを紐づけるメリットを説明します。
大きなメリットは5つあります。
1 確定申告が簡単になる
2 高額医療の手続きが簡単になる
3 医療機関での受付がスムース
4 災害時でも医療情報が入手できる
5 健康診断データが活用できる
~~ 確定申告 ~~
毎年2月中頃から始まる確定申告。医療費も含まれますね。
保管しておいた病院や薬局の領収書から合計を計算し、会場に出かけて申告する・・・。
マイナンバーがあれば、インターネットからポータルサイト(個人専用の総合受付窓口)にアクセスできます。
そのサイトでは病院や薬局での一年間の支払い総額がすぐにわかり、自分で計算する手間が省けます。
また、電子的に手続が行える e-Taxを用いれば確定申告会場に行かなくても自宅で申告が可能です。
~~ 高額医療 ~~
入院や高額な薬剤を使用する場合、一時的に高額の医療費を立替え、後から領収書を基に還付を受けます。
事前に申請も出来ますが、認定が必要な上に手続きには時間もかかります。
マイナンバーカードがあれば高額医療の設定も簡単に出来ます。
負担上限が設定されるので、必要以上の支払いが不要になります。
余談ですが、筆者の母親が転倒して突然入院した際、マイナンバーカードで費用上限の設定が出来て一定額までの支払いで済みました。面倒な手続きなしで高額な立替が不要になり、メリットを実感することができました。
次回も今回紹介出来なかったメリットを紹介します。
2022/10/20
突然ですが、マイナンバーカード申請手続きはもう終わりましたか?
え?まだしてない?
政府はお買い物に利用できるポイントをつけてまで普及を促進していますが、普及率は約4割に留まっています。
政府が大盤振る舞いをしてまで推進するのはナゼなのでしょうか?気になったので調べてみました。
マイナンバーは様々な場面で活用できるシステムです。
色々な個人データがマイナンバーを通じてコンピュータ間でスムースにやりとりができます。
また、紙を用いないので人件費、保管スペースが不要となり、迅速な情報取得が可能となります。
データの管理にかかるコストを大幅に削減することが出来るシステムなのです。
様々な個人データの中には、医療データも含まれています。
健康診断結果、カルテのデータ、検査画像、処方されたお薬の履歴などです。
政府は、このデータを医療機関同士で共有することで、重複する検査を減らして医療費を節約し、充実した医療につなげることを目指しているのです。
そのためにマイナンバーカードが保険証としても使えて、医療データへのアクセスが可能となる機能を持たせているのです。
ふ~ん、お安く運営できて便利なのね。
でも私のデータが漏洩したらイヤだわ・・・。確かに・・・私もそうです。
漏洩対策の説明をしたいところですが、その前に次回は医療におけるメリットを説明します。
2022/09/15