お薬屋さんのコラム

チョット役立つマメ知識

ユーキャンの通信講座で薬剤師になれるの? ~その3~

さて、前回までは国家試験までの長い道のりについてお話しました。
今回は合格した後について紹介します。

長い長い時間と様々な関門をパスして合格したら、晴れて薬剤師!となれるわけではありません。
いくつかの手続きの後、厚生労働省の薬剤師名簿に登録された後、薬剤師免許が交付されて新たな薬剤師が誕生します。

メデタシメデタシですが・・・薬学生という種からやっと新芽が出たばかりです。信頼される薬剤師として大きな木に成長するためには、膨大な経験と勉強が要求されます。
次々と出てくる新しい薬や治療方法への知識から店頭で取り扱う市販薬の知識までを数々の勉強会に参加して学びます。

勉強会は閉店後や日曜に行われることがほとんどです。一生続くゴールのない勉強を続けています。
なぜ薬剤師は自分の時間を削てってまで新しい知識を得ようとするのでしょうか?

皆さんに健康で笑顔あふれる人生を送って頂きたい、そのために薬を活用するお手伝いがしたい、と全ての薬剤師は心から願っているからです。
より大きな効果をより少ない副作用で、プラスを大きくマイナスを少なくお薬を活用して頂くために薬剤師は存在します。

ですからお薬や病気の疑問などがあれば薬剤師にどんどん質問して下さい!
薬剤師をどんどん活用しましょう。
私たち薬剤師は期待にお応えできる薬剤師を目指しています!

2018/04/19

チョット役立つマメ知識

ユーキャンの通信講座で薬剤師になれるの? ~その2~

5年生では病院11週間、薬局11週間、合計5ヶ月にも渡る実習があります。
ただ見学するだけでなく、一緒に薬を準備したり、患者さんと話をしたりなど実務的な内容から市販薬、教育現場での薬剤師の活動、地域での活動など多様なカリキュラムがあります。

6年生で卒業論文を書いて単位をクリアした後は、最後の難関、卒業試験です。
国家試験と同レベルの問題が出ます。この卒業試験に落ちると・・・最後の最後で留年です。(泣)
卒業試験に合格したら晴れて卒業です。メデタシメデタシですが・・・卒業は国家試験の受験資格が得られただけに過ぎません。
いよいよ最後の難関、一発勝負の国家試験に望みます。

国家試験は年に1回、2月下旬の土曜日曜の2日に渡って実施されます。
合格率は約70%、合格すれば薬剤師、落ちたら唯のヒト・・来年の試験のために浪人する人もいます(泣)
3月の終わりの合格発表までは落ち着かない日々を過ごします。
受かったらもう薬剤師?いえいえ、次回は合格した後についてお話します。

2018/03/15

チョット役立つマメ知識

ユーキャンの通信講座で薬剤師になれるの?

薬剤師になるにはどうすればよいのでしょうか?
ユーキャンに申し込んで・・・ではなく6年制の薬学部を卒業する必要があります。
卒業すれば薬剤師になれるわけではありません。薬剤師の国家試験を受験する資格が卒業して初めて得られるのです。他の学部では受験資格は得られません。
薬剤師になるためには薬学部卒業が必須なのです。ですので・・・ユーキャンでは無理です。(笑)

さて、薬学部ではどんなことを学ぶのでしょうか?
4年生までは英語などの一般教養以外にも、薬学部ならではの講義があります。
薬理(体にどのように作用するのか)、病態生理(病気に対する知識)から環境について学ぶ公衆衛生、漢方の原料に使う生薬など多岐に渡る講義があります。どれも馴染みがない講義ですね。

4年生の最後には大きな2つの関門があります。5年生に行われる実務実習に出れるレベルに知識や技能が達しているかを問う試験です。オスキー(OSCE)とCBTと呼ばれています。

OSCEとは患者さんとの対話や調剤方法についての実務的な試験です。試験は学校内を締め切って厳格な雰囲気で行われ、試験内容は一切口外してはいけません。
CBTとは4年生までに学んだ知識を問われる、パソコンを用いた選択問題による試験です。

どちらにも合格して初めて5年生に上がれ、実習に出ることができます。では、実習ではどのようなことを行うのでしょうか?次回に続きます。

2018/02/15

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コタツ寝にはご用心

冬になりコタツが心地よくなりました。ポカポカしてついついウトウト。経験のある方も多いと思います。
でも、これって・・・とても危いことなのです。今回はコタツ寝が招くトラブルについてお話します。

人間は寝ている間に体温を下げ、エネルギーの消費を抑えます。体温が下がるので、汗として皮膚から逃げる水分も少なくなりますが、冬でもコップ1杯程の汗を寝てる間に自然とかきます。
さて、コタツで寝てしまい体温が高い状態が続くとどうなるのでしょうか。

コタツの温度は体温より3~4℃高い約40℃。汗をかくのも当然です。
体温が1℃上がるだけで自然と失う水分量は15%も増えます。体温より3~4℃も高いコタツで長い時間ウトウト・・・汗をかいて水分を失い脱水状態になります。

汗は血液中の水分から作られます。汗をかき続けると、水分が減って粘度が高いドロドロとした血液となります。
つまり、血液が固まる血栓ができやすい状態となるのです。

この血栓が脳や心臓の血管を詰まらせると大きなトラブルにつながります。実際コタツで寝ていて突然死した方もいらっしゃいます。
ホットカーペットを布団の下に敷くのも同じ原理でおすすめできません。

コタツに入る時はお茶などで水分を補給しましょう。
また、ビタミンCを多く含むミカンは、カゼの予防になるだけでなく水分の補給にもなります。冬にコタツでミカンは理に適っているのですね。

2018/01/18

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意外に起きる冬の脱水

人間が一日に必要とする水分の量はどのくらいかご存知ですか?

ズバリ答えは2.3リットルです。もちろん飲むだけでなく、ご飯などに含まれる水分も含めての量ですが、大きなペットボトルよりも多い量なのです。

通常は、体内に入ってくる水分と、出て行く水分は同じ量です。しかし、入ってくる量より出て行く量が多くなると、体内の水分が減ります。この出納バランスが崩れた状態が脱水です。

汗を多くかく夏におきるイメージが強いですが、寒い冬でも意外に起こります。
寒いと余計にトイレが近くなるからと飲む水分量が少なくなることや、インフルエンザやカゼによる発熱、ノロウイルスによる下痢などが原因となります。
体内の水分が少ない高齢者や小さなお子さんは特に注意が必要で、脱水状態が続くと、点滴や入院などの対応が必要となることもあります。

脱水を避ける最も有効な方法はやはり水分補給です。
暖かい飲み物は水分を補給してくれるだけでなく、体も暖まる上、胃腸に熱を与えて動きを良くし、消化を助けてくれます。
寒い冬は暖かい飲み物が美味しい季節です。快適に過ごしましょう。

2017/12/21

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熱中症にどうして塩分が必要なの?

十分な水分と適度な塩分をとり、熱中症に気をつけましょう!という言葉をテレビなどでよく聞く季節になりました。
水分はわかるけど・・・塩分はどうして?今回は熱中症と塩分についてす。

血圧を上げるイメージがあるため、避けられがちな塩分。
実は、筋肉を動かしたり、体内の水分を維持する役割をもち、人間にとって無くては生きていけないとても重要な成分なのです。 
暑い季節になると汗をいっぱいかきます。この汗の中には水分以外に、塩分やミネラル類も含まれています。
汗で水分やミネラルが失われ、不足した状態が熱中症です。

水分が少なくなると、水分を多く含む臓器に大きく影響して症状が現れます。脳だとメマイや立ちくらみ、消化器だとムカムカや吐き気、筋肉だとケイレンですね。

さて、この状態で水分だけを補給するとどうなるでしょうか?
汗で失われたミネラルが水分によって更に薄められるため、熱中症の症状は更に悪化してしまいます。
そのため、水分と供に塩分も摂取してミネラル量を補給する必要があるのです。塩アメや梅干、経口補水液などでミネラルも補給して熱中症を予防しましょう。

血圧への影響が心配・・・という方は、熱中症を防ぐ適切な塩分量はどのくらいかお医者さんに相談してみてはいかがでしょうか。

2017/08/17

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ヒートショックはどうすれば防げるの?

前回は気温の変化によりおきる血管の変化についてお話しました。今回はお風呂に入るまでの室温差が血圧に与える影響を考えてみます。

なぜヒートショックは寒い時期に多く起きるのでしょうか?
原因は室温の急激な変化です。

さて、冬場の一般的な室温は、居間 22℃ → 脱衣所と浴室10℃ → 湯船 41℃ → 脱衣所 10℃です。
12℃下がり、31℃上がり、31℃下がります。体周囲の大きな温度変化が血管の収縮や拡張をもたらし、血圧を大きく変動させてヒートショックにつながりやすくなります。

気温が高い夏は、室温差が少ないためヒートショックが起きにくいのです。

10℃以上の温度差は要注意と言われています。この温度差を少なくすることが最大の予防となります。

➀ミニ温風ヒーターなどで脱衣所を温める (室温差を少なくします)
➁ふたを外してお湯をはる (浴室とお湯との温度差を少なくします)
③シャワーを浴室にかける (浴室全体の室温を上げます)
④かけ湯をして体を十分に温める (体とお湯の温度差を少なくします)
⑤40℃未満のぬるめのお湯 (過度な血圧低下を防ぎます)
⑥冷え込む深夜でなく、早めの時間に入浴する (室温差を少なくします)

しっかり対策して快適な冬を過ごしましょう。

2016/12/15

チョット役立つマメ知識

ヒートショックって何?

ここ数年、ヒートショックという言葉を新聞や雑誌で見かけるようになりました。
ヒートショックとは、室温の急激な変化により血圧や脈拍が変動しておきる体の不調のことです。
変動が大きい場合は、脳梗塞や心筋梗塞、意識を失うなどの不慮の事故につながることもあります。

ヒートショックにより亡くなられる方は全国で1万4千人と推定されています。交通事故によって亡くなられる方の実に3倍以上の人数なのです。
起きる時期は11月~2月と圧倒的に冬が多く、寒い時期は要注意です。

体の周囲の温度が下がった時は、血管は収縮して血圧は高くなります。
血圧が急に高くなると心臓や血管に圧力がかかり、脳梗塞や心筋梗塞につながります。

逆に体の周囲の温度が上がった時は、血管は開いて血圧は低くなります。
血圧が急に低くなると、血圧が下がりすぎて血液がスムーズに循環しなくなり、ふらつきや失神につながるのです。

短時間に血管や血圧が大きく変化することがヒートショックにつながるのです。
ではヒートショックを防ぐ対策はどうすればよいの?次回に続きます。

2016/11/17

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