お薬屋さんのコラム

腸内細菌について

腸活のススメ ~その3~

前回までは、腸内細菌を増やす方法と、大きく影響する要素に関するお話でした。
今回は、食べ物から取り入れる方法についてお話します。

善玉菌と呼ばれる腸内細菌を体内に取り込むには、善玉菌を含む食材を食べることが大切です。
善玉菌を含む食材は、納豆、お味噌、ぬか漬けや浅漬けなどの漬物、キムチ、ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料などです。
発酵食品が多いですね。人間は昔から微生物がもたらす恩恵を上手に利用していたのですね。

また、サプリメントや医薬品も種類が豊富ですね。
赤松薬局では、納豆菌、乳酸菌、ビフィズス菌、ビール酵母が入ったコンチーム錠を積極的にオススメしてます。

善玉菌は生きた菌のため、熱と胃酸に弱く活性を失います。加熱しすぎない事、消化液である胃酸が食べ物で薄まる食後に食べることが効率的に摂取するコツです。
また、冷たすぎても活発になりません。納豆やヨーグルトは冷蔵庫から出してすぐの冷えた状態より、常温に戻した方が菌の活性が上がります。
また、以前にも紹介しましたが、摂取した善玉菌がより増えやすくなる食材もいっしょに食べるのがオススメです。体内で増えてより効果的です。

うーん、でも腸に良い料理ってどんなのがあるの?オススメのレシピは次回紹介します。

2023/09/30

腸内細菌について

腸活のススメ ~その2~

前回は、腸内細菌の発育には栄養が大きく影響するというお話でした。
今回はもう一つの要素、温度についてお話します。

人間の体内は37℃前後に保たれ、変動することはほとんどありません。深部体温とも呼ばれます。
この温度は腸内細菌にとって元気に発育できる温度なのです。

善玉菌と呼ばれる腸内細菌は、温度の影響を大きく受けます。
温度が高いと耐えられずに死んでしまい、低過ぎると活性が下がり動きが止まります。

では、腸内の温度に影響するモノとは?
スバリ!食べ物や飲み物の温度と、気温です。

夏は冷たいモノが多くなり胃腸も冷えやすくなります。エアコンも体を冷やします。
夏場の胃腸ダウンは冷えることが原因のひとつです。
胃腸の温度が下がると菌も活性が落ち、発育が遅くなります。

あら、ではどうすれば良いの?

最も有効な対策は、暖めることです。
冷えて調子が悪くなるものは、暖めれば調子が戻ります。腸内細菌も暖めれば元気を取り戻すのです。
余談ですが、納豆は冷蔵庫から出してすぐより、常温に戻した方が菌の活性が上がります。

寒い冬でも同様です。
気温が低いと体温が奪われ血管が収縮し、循環する血液も減って更に体温が下がって体が冷えるため、胃腸も冷えるのです。
温かい飲み物やお鍋は、体を中から暖めるので体温が上昇します。

夏でも冬でも体を冷やさず暖めることが腸内細菌を元気にするコツです。
次回は善玉菌を取り込む方法についてお話します。

2023/08/17

腸内細菌について

腸活のススメ ~その1~

前回は、白アリが木を栄養にできるのは、腹にいる微生物が消化を助けてくれるからというお話でした。
人間のお腹にも微生物が共生していて、様々な恩恵を受けています。

腸内細菌という言葉をよくテレビなどで耳にしますね。
腸内細菌は免疫力を高めたり、ビタミンを合成したり健康に大きく関わってます。

へぇ~人間のお腹にも良い菌がいるのね。でも体に良い菌ってどうやったら増やせるの?

方法は2つ、外から菌を取り込んで増やす方法と、菌が栄養にしやすい食材を食べて繁殖を促す方法です。
ちなみに善玉菌を取り込む方法はプロバイオティクス、善玉菌のエサを摂って増やす方法はプレバイオティクスと呼ばれます。
今回は、繁殖を促す方法についてお話します。

善玉菌と呼ばれる腸内細菌はビフィズス菌や乳酸菌です。適切な条件が整えば増殖します。
その条件とは?ズバリ温度と栄養です。

菌が利用しやすい栄養は、水溶性食物繊維や、オリゴ糖などです。
水溶性食物繊維やオリゴ糖を多く含む食材は、イモ類、豆類、ゴボウやニンジンなどの野菜などです。

また、オリゴ糖は蜂蜜にも含まれてます。
善玉菌が多く含まれるヨーグルトにハチミツというのは、実は理にかなった組み合わせなのですね。

成程~。善玉菌がドンドン増える食べ物をしっかりとることが健康にプラスに働くということね。
あら、でも温度については? 

あ!忘れてた・・・次回は菌が育つ温度についてお話します。

2023/07/20

腸内細菌について

白アリは木を食べてどうしてお腹を壊さないの?

実家に白アリが出て手に負えず業者さんを頼みました。
とても栄養があるように見えない木材を、白アリはどうして食べるのかな?とフト思いました。
気になったので調べてみました。

木はセルロールという食物繊維を豊富に含みます。
セルロールを消化して栄養に変えることができる動物は少なく、牛やヤギなどの反芻動物と、シロアリやカタツムリなどです。

白アリは、消化管の中にいる微生物の助けを借りてセルロールを細かく分解します。セルロールは最終的にブドウ糖まで分解され、活動するエネルギーとなるのです。
牛やヤギも胃の中にいる微生物の力を借ります。

微生物にとっては、何もしなくてもエサが手に入り、外敵が来ない環境に住んでいることになります。
また、シロアリにしてみれば、他の動物が消化ができないものをエサにできることで、他とエサを奪い合う争いを避けることができます。
お互いに利益があるウインウインの関係ですね。これが共生関係です。

人間の生活圏では柱を食い荒らす厄介者ですが、自然界では木を分解して土に還す役割を担っているのです。

実は人間の腸内にも細菌が共生してます。良い働きをする善玉菌、悪さをする悪玉菌と様々です。
善玉菌はビフィズス菌や乳酸菌です。免疫を高めたり、ビタミンを合成してくれます。
善玉菌が多いと肌や体の調子が良くなるのです。

ではどうやったら善玉菌を増やせるのでしょうか?次回に続きます。

2023/06/22

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