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コロナ感染を調べるキットが薬局で市販されるようになりました。DNAを増殖させるPCR検査とは異なる検査方法が採用されています。
一体どんな原理?気になったので調べてみました。
原理を簡単に言うと、コロナウイルスのトゲトゲに2つの抗体を引っ付けて大きな粒子を数多く作り、見えるようにするのです。
まず、検査は鼻の入口付近、または鼻の奥を綿棒でホジホジし、コロナウイルスを採取します。
次に綿棒を試薬の液体につけこみ検体とします。
試薬には、コロナウイルスのトゲトゲ、特有のタンパク質(抗原 以下①)だけにピッタリとはまる検査薬(抗体 以下②)が含まれています。
コロナウイルスがいると、検査薬の抗体②はコロナウイルスに結合します。(コロナ①+試薬抗体②がつながった粒子がまず作られます)
次に検体をポタポタと数滴、判定する検査キットに落とします。
検査キットの底面には、検査薬と全く同じ抗体③が固定されています。
検査薬抗体②とつながった状態のコロナウイルス①でも、トゲトゲは多数あるため、検査キット底面に固定された抗体③にひっかかり、スッポリとハマるのです。
③固定抗体+①コロナ+②試薬抗体がつながった大きな粒子が作られます。コロナウイルス①が2つの抗体②③にサンドイッチされた形になるのですね。
また、判定用の発色物質が検査薬②には結合しています。
感染している場合は、キット底面から固定抗体③→コロナ①→検査抗体②→発色物質という結合した粒子が数多く形成されるため、判定部に色が出ます。15~30分で結果が分かります。
感染していなければ、この反応が起きないため色が出ません。
この検査方法は一般的にサンドイッチ法と呼ばれ、元々はインフルエンザ感染判定に活用されていた技術なのです。検査抗体を変えることでコロナウイルスにも応用出来たという訳ですね。
2022/02/17