お薬屋さんのコラム検索
前回は薬局で使うハカリの精度は法律で基準が定められていることについてお話しました。
基準が定められているのに、秤は日本国内どこでも同じ数値を示すとは限りません。
えっ、どういうこと?
物体を地球に引き付ける力が引力です。
また、物体には地球の自転によって地球から離れようとする遠心力も加わります。
引き付ける引力と離れようとする遠心力との差、それが重力です。
遠心力より引力が大きいため重力が生じ、私たちは地球上に留まれるのです。
でもこの重力、地球上どこでも一定ではなく、緯度や標高の違いによりごく僅かに異なります。
地球が回転する中心軸、地軸からの距離が長いと遠心力は強くなり、短いと弱くなります。
地軸から遠い沖縄と、地軸に近い北海道では遠心力が異なるため、重力は同じではないのです。北海道では100Kgの物体が、沖縄では約140g軽くなります。
ちなみに北極点と赤道直下では約500gもの違いとなります。
同じ原理で標高も影響します。地表で100Kgの物体が、高さ約450mの東京スカイツリー展望台では約14g軽くなります。
わずかな違いに思えますが、これが高額なプラチナや金の重量だったら・・・困りますよね。
地域や標高の違いを補正する対策が計量法ではちゃんと規定されています。
どんな対策なの?次回に続きます。
2019/09/19