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今回は、腹にたどりついたバイ菌やウイルスを撃退する防御システムと腸内細菌との関わりについてです。
腸内細菌には、人間には消化できない栄養素を食べて発酵を行い、人間に必要な物質に作り変える重要な役割があります。
人間が消化できない栄養素はオリゴ糖や食物繊維です。
あら、体にイイ食べ物だってよく聞くわよ。
その通りです。ただ、そのままで利用されるのではなく、腸内細菌の発酵によって別の栄養素に生まれ変わって利用されるのです。
発酵により作り変えられた栄養素が短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)です。
短鎖脂肪酸には、酪酸(らくさん)、酢酸、プロピオン酸などがあります。この短鎖脂肪酸の役割が腸内免疫と大きく関わるのです。
①腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌が増殖しにくい環境にする。
②腸粘膜を保護する細胞の増殖を活性化させる
③ウイルスだけでなく自分の体も攻撃してしまう過剰な免疫反応を抑え、免疫反応にブレーキをかける
④腹の動きを促し、食べ物の消化を助ける
⑤腸粘膜の血液循環を良くして再生を促し、食べ物との摩擦によってすり減る腸粘膜を一定の厚みに保つ
へぇ~。単なる居候じゃなく、ちゃんと働いているのね。でも役割ってこれだけなの?
実は、短鎖脂肪酸はアレルギーを抑える役割もあるのです。
アレルギーにも関わってるの?一体どういコト?次回に続きます。
2024/04/22