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女性特有のガン、子宮頸(けい)がんは第4位です。乳がん、子宮体がん、卵巣がんに続きます。
子宮頸がんを引き起こす犯人は、ヒト・パピローマ・ウイルス=HPVです。
HPVは特別なウイルスではなく、男性にも女性にも体表面に存在するとてもありふれたウイルスです。
HPVには200種類以上のタイプがありますが、ガンになるのは14種類、その中でガンリスクが高いのは2種類です。
このウイルスは女性の体内にどうやって入り込むのでしょうか?
感染ルートは男性から女性です。プール、オフロ、温泉などでは感染しません。
まずウイルスは粘膜表面に取り付きます。女性粘膜についた小さな傷口から更に下の組織へと潜り込みます。
下の組織にまでたどり着いたHPVを攻撃する免疫を作るのがワクチンです。
約90%の人は免疫機能により、2年以内に自然排除されます。
約10%の人は感染が持続するものの、がんの前身である状態に移行するのは更にごくごく一部の人です。
この変化には長い時間がかかります。
がんの前身状態の治療は、外科的に切除する方法です。子宮口の頸部だけに病変がある場合は、頸部を円錐型に切除します。初期切除での生存率は約96%と大変高い数値です。
子宮は温存できるので出産は可能ですが、子宮口の組織が薄くなるので流産や早産の可能性が高くなります。
更に進行すると切除範囲が広くなります。
次回はHPVに対するワクチンの作用についてお話します。
2022/06/23